女性活躍推進コラム
女性活躍推進コラム

女性活躍推進の取り組み成功の3つのポイント

企業が女性活躍の取り組みを行ううえで起こりうる課題、成功させるための3つのポイントを解説します。あわせて、女性活躍推進法とは何か、女性活躍のメリット、えるぼしなどの制度や助成金などの基本的な点についても、女性活躍の専門家がまとめてご紹介します。「女性活躍って何から始めたらよいの?」「女性管理職は増やせるの?」とお悩みの企業様はぜひご覧ください。

2018.10.02sourire staff

女性活躍推進法とは

働き方改革やワーク・ライフ・バランスへの注目が高まる中、
「女性活躍」は企業だけでなく社会全体でよく耳にするワードになっています。

アベノミクスの「3本の矢」にある成長戦略の一つとして、
2016年に施行されたこの女性活躍推進法は、
企業に対して「女性の働きやすい環境づくり」を求める法律です。

誰もが一度は耳にしたことのある女性活躍推進法ですが、
どのような背景から施行され、企業にはどのようなメリットがあり、
どんな取り組みを行う必要があるのでしょうか?

具体的な背景や対策を、企業の方に向けてわかりやすく解説します。

 

女性活躍推進法の内容


女性活躍推進法とは何でしょうか。
女性活躍推進法は、女性が希望する働き方を実現できる環境を整えることを企業に求める法律です。
女性がより豊かな職業生活を送るための環境づくりを促しています。

基本原則として、

・「女性労働者の採用や昇進などの機会を促進すること」
・「育児や出産など、家庭生活と仕事を両立する環境を整備すること」
・「女性労働者自身の意思によって尊重される労働環境を確保すること」

この3つを目指して制定されています。

また、企業は女性が活躍できる環境を整備するための
「分析」「計画」「結果の公表」を行うことが必要となります。
従業員301人以上の企業は実施義務、300人以下の企業は努力義務があります。

 

女性活躍推進法の背景

女性活躍推進法はなぜ必要だったのでしょうか?
女性活躍推進法が制定された背景には、現代社会における「ライフスタイルの変化」と「労働力人口の減少」が関係しています。

 

背景 (1)  ライフスタイルの変化

女性活躍推進法が制定された背景の1つは、日本全体で共働き家庭が増えていることです。
女性の社会進出が進む中、平成4年以降「専業主婦世帯」を「共働き世帯」の数が上回っています。

(出典:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000118655.pdf

 

共働きがスタンダードになったことで、家事や育児と両立しながらも働き続けられる環境づくりが必要となっています。とくに女性の場合、出産などのライフイベントも控えているため、従来の労働環境では仕事を諦めるより他ない状況になっていました。

背景 (2)  労働力人口の減少

家庭と両立させながら働き続けたいと願う女性が増えるだけでなく、日本社会においても女性が働くことが必要不可欠な状況になりつつあります。
少子高齢化によって高齢者が増加する中、日本の労働力人口は減少を続けています。現状のまま出生数が減少すると、2060年の日本の労働生産年齢人口は【4400万人】になり、現在から半減するという危機的状況を迎えています。その中で女性や高齢者、時間制約のある方の活躍が叫ばれていますが、未だに約50%の女性が子育てを機に仕事を辞めています。この女性たちが労働を続けた場合、【100万人以上】の労働力が確保できると言われています。

(出典:https://www.mhlw.go.jp/english/wp/wp-hw3/dl/j1_05.pdf

 

女性活躍推進の企業のメリット

女性活躍推進を行う企業のメリットは何でしょうか?

女性活躍推進は、単に女性が優遇されているというものではありません。
実は、組織全体や男性社員にとっても良い影響をもたらす効果があるのです。
経営や組織風土の改善にもつながため、個人と組織の双方に次のようなメリットがあります。

 

メリット (1)  多様な市場ニーズへの対応が可能になる

経済産業省によると、日本では家計支出の購買決定権を持つのは7割が女性であるというデータが示されています。
女性視点からの商品開発や販売戦略は企業に大きなメリットをもたらします。
例えば、日産自動車は女性ユーザーの視点を取り込んだ商品開発に力を入れています。2006年8月に設立された女性視点目標設定グループが設置され、高級セダンの新型「ティアナ」は同グループが試作段階から参画。女性でないと気づきにくい感性価値を実現し、購入の意思決定の3分の2を女性がかかわる点に対応しています。

(出典:http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/practice/pdf/2014november.pdf

 

メリット (2)   組織の視野に広がりが生まれる

経済産業省の同レポートによると、女性取締役が1人以上いる企業は、いない企業に比べ、
株式パフォーマンスが良いことや、リーマンショックからの回復が早いことが報告されています。
女性管理職が増えることで、環境変化に強く、適応能力の高い組織をつくることに繋がると言われています。

メリット (3)   ESG投資・なでしこ銘柄取得の可能性

ESGとは、環境(Environment、例:地球規模の環境)、社会(Social、例:労働者の雇用や安全)、ガバナンス(Governance、例:社外取締役の独立性、情報開示体制)の頭文字を取ってできた言葉です。
ESG投資は、これらの3要素に注目し、企業の長期的な持続可能性を評価して投資することを指します。
女性活躍を促進することは、企業が長期的に経営を維持していくことにも良い影響をもたらすため、
女性活躍推進は投資家の意思決定の材料にもなると言われます。現在、全世界の資産運用残高のうち約3割が ESG 要素を考慮しているといわれており、特に欧州では約6割を占めています。
日本でもESG 投資への関心が高まっています。

ESG投資に先立って日本で広がっているのは、なでしこ銘柄です。
なでしこ銘柄とは、東証一部上場企業の中から業種毎に、女性が働き続けるための環境整備を含め、女性人材の活用を積極的に進めている企業(銘柄)をいいます。
2012年度から、経済産業省が東京証券取引所と共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を選定・発表する事業で、具体的には、女性のキャリア支援と、仕事・家庭の両立支援の二つの側面からスコアリングを行い、各業種の上位企業の中から財務面の基準を満たした代表企業を選定しています。

女性活躍推進に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家に対して、魅力ある銘柄として紹介することを通じて、そうした企業への投資を促進し、多くの企業(各社)の取組を加速化していくことを狙いとしています。また選定企業はTOPIX(東証株価指数)、売上高営業利益率のどちらにおいても他の企業と比較して高い数値を示しており、女性活躍推進を行っていることが経営にもプラスであることが分かります。

このように、女性活躍推進を行うことで、投資が受けやすく経営にもプラスに働いていきます。

メリット (4)   ワーク・ライフ・バランス向上による相乗効果

ワーク・ライフ・バランスとは、「生活と仕事の調和」のことを言います。
仕事においてやりがいを見出しいきいきと働けることと、余暇や私生活が充実することが相乗効果で、
仕事と生活どちらにも好影響を与えるという考え方です。
例えば、プライベートの時間での体験が、新たなインプットとして業務でも活用することができたり、
労働時間が短くなることでより生産性を高めて働くことができることなどが効果として挙げられます。
ワーク・ライフ・バランスが整うことで、女性だけでなく、男性社員にも
生産性を高めていきいきと働ける環境を提供することができるでしょう。

 

メリット (5)  助成金を得ることができる

女性活躍推進法に基づいて女性活躍を進める企業は、条件を満たした場合、厚生労働省から「えるぼし認定」という認定を受けることができます。えるぼし認定を受けた企業は、公共調達や低金利有志において、優遇を受けることができるというメリットがあります。

えるぼし認定の詳細は、こちらからご覧いただけます。

 

女性活躍推進法で企業に求められること

女性活躍推進法で企業に求められることには、分析・行動計画・結果の公表の3つがあります。それぞれについて解説します。

企業に求められること (1)  現在の女性活躍状況の分析

企業が分析しなければならない事項として以下の項目が挙げられます。

1.採用の女性割合
2.継続勤務年数の割合
3.職員一人当たり各月ごとの超過勤務時間
4.管理的地位にある職員に占める女性割合
5.各役職段階に占める女性職員の割合
6.男女別の育休取得率・平均取得期間
7.男性職員の配偶者出産休暇及び育児参加のための休暇取得率・平均取得日数 など

 

企業に求められること (2)  女性活躍推進のための行動計画

分析した数値をもとに、目標や改善の為の取り組みを「事業主行動計画」として定めます。
策定された内容を社内に広く通達することが義務とされています。

 

企業に求められること (3)  計画に基づく実施結果の公表

「事業主行動計画」の実施状況や、職業選択に関する情報などを対外的に公表する必要があります。

 

企業の女性活躍推進施策の課題

企業にとってメリットのある女性活躍推進。
では、企業の女性活躍推進はスムーズに進んでいるのでしょうか?


実際には、

「これだけ女性活躍推進の施策を打っているのになぜ響かない?」
「我が社の施策は本当に女性の抱える不安に合っているんだろうか?」

という悩みを抱える人事担当者の方も少なくないかと思います。

 

女性活躍施策を進める上での課題は、会社の規模や組織風土によっても変わっていきます。
ここでは、人事担当者を悩ませる女性活躍の具体的な課題についてご紹介します。

 

女性活躍の課題 (1)   社員の意識改革が進まない

「女性活躍」というキーワードだけが認知され、女性が働きやすい環境が整うことによる効果や必要性が
理解されていない企業がまだまだ多いようです。特に、施策を運用したり業務のマネジメントを行う
管理職層に
女性活躍推進の必要性を浸透させることは必要不可欠です。

男性管理職の3〜4割は、評価や昇進に関して、性別によって何らかの区別をしているという調査結果もあり、
必ずしも全員が女性活躍について等しい価値観や知識を持っているわけではないことが言えます。

女性が働きやすい環境を整備することで、組織全体にどのようなメリットがあるのかをしっかりと周知していくことが大切です。

(参照:http://www.jil.go.jp/institute/research/2014/119.html

 

女性活躍の課題 (2)   制度はあるもの運用がうまくいかない

「女性社員に向けた制度を整えたものの現場ではなかなか使われていない」
「残業を減らすよう働きかけているものの、業務量やこれまでの慣習から減らすことができていない」

このように、女性が働きやすい環境を整えようと施策を打つものの、
実際の管理職や女性社員がその制度を活用できていないというケースは非常に多くあります。

このような場合、制度の周知が行き届いていないことや、活用方法まで詳細に共有できていない場合があるので、
実際の現場の声を聞きながら、制度の改善や運用方法の共有を行うことが必要となります。

 

女性活躍の課題 (3)   施策の内容が自社の女性社員の課題に合っていない

「管理職を任せたいと思っても女性社員に意欲がない」
「子育て中の女性社員も活躍できるよう、それまでと同様の仕事を任せようと思っても断られてしまう」

というように、女性社員に活躍の場をつくろうと試みても、なかなか女性社員を登用することが難しい場合があります。
人事が求める女性社員像と、女性社員が希望するキャリアの描き方のすり合わせができていないことが考えられます。
また、働く女性の中にはワークとライフの両立に対して不安を抱き、キャリアを自らセーブしてしまう女性社員もいます。
弊社が行った両立不安に関するアンケート、両立不安白書によると、
働く女性の92.7%が両立に直面する前から不安を感じていると回答しています。

女性社員が実際にどのような悩みや不安を抱えているのかという本音を具体的に把握し、
それらを解消しながら活躍をサポートしていくことが必要です。

 

 

企業での女性活躍推進を成功させる3つのポイント

企業での女性活躍を成功させるためには、表面上の制度を整えるだけでなく、根本的な解決を行う必要があります。
効果的な施策を現場に届け、女性の働きやすい環境を整えるにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

 

ポイント(1) 女性社員の本音が見えるコミュニケーションを意識する

企業が女性社員を思って制度や施策を作っても、なかなか女性活躍が進まない原因は、
人事から見える「課題」と女性社員が抱える「課題」にズレがあるからかもしれません。
ライフイベントの変化に合わせて、女性のキャリアに対する不安も少しずつ変わっていきます。

女性は、結婚・出産以前から両立に不安を抱えており、
ライフステージに合わせてもその不安が多岐に分かれていきます。
現在自身の会社にいる女性社員は、どの段階にいる社員が多いのか、どのように悩んでいるのか、
コミュニケーションを通して明確化させていくことが求められています。

単に制度を整えるだけでなく、制度を利用する女性社員が抱えるモヤモヤや不安を具体的に解消していくことが重要となります。

参考(両立不安白書:https://ryoritsu-fuan.sourire-heart.com/pdf/ryoritsu-fuan-hakusho.pdf

 

ポイント(2) 管理職や男性社員にもメリットの周知を行う

女性の働きやすい環境を作るためには、人事と女性社員だけの問題ではなく、周囲の社員や管理職の理解が必要です。
制度や施策を伝えるだけでなく、その背景にある女性社員の状況や、問題を解決することによる全体へのメリットを共有することが重要です。

例えば、女性社員の意見が入ることでより多様なアイデアが生まれることや、
男性社員にとっても仕事とプライベートが両立しやすい環境づくりにつながることなどを
分かりやすく継続的に発信することで、「なぜ女性が働きやすい環境が必要か」の理解を得ることが重要です。

チーム全体で「働きやすい環境」を作る取り組みが欠かせません。

 

ポイント(3) 長期的に組織を変革していく

施策が周知されて組織に定着し、継続できる仕掛けづくりを行っていくためには時間がかかります。
長期的な視点から、女性社員がどのような働き方を実現したいのかを考え、そのための仕掛けをつくることで、
女性社員同士のコミュニティが生まれたり、意識や組織風土を変革することにつながります。

制度を導入してから、組織に女性活躍の文化が定着するまでには、2〜5年程度かかるのが一般的です。
短期的な効果だけを求めるのではなく、組織風土として社員の価値観に染み込むよう
長期的な計画をもって取り組むことが必要です。

 

女性活躍の取り組み事例紹介

では、女性活躍を支援するため、実際に企業ではどのような取り組みが実践されているのでしょうか。
ここでは、2社の事例を紹介します。

 

大阪ガス株式会社

 

大阪ガスは、女性活躍に優れた上場企業に与えられる「なでしこ銘柄」を5年連続で受賞している企業です。
取り組みとして、育休から復帰する社員に対して復職支援セミナーを実施し、女性の復職の際の不安を解消しています。
さらに、先輩女性社員によるメンタリング制度を導入し、お手本となるような先輩社員とのつながりの場を提供したり、
女性社員同士でリアルな悩みを共有できる環境づくりを行っています。
内定者に対しても、学生のうちからライフプランをしっかりと考えるためのインターンシッププログラムを行っています。
大阪ガスでは、もともとは育児休暇を3年取得する女性社員が多く、復職後も大きく開いてしまったブランクによって、
マミートラック(出産を機に、昇進の階段を上がれず、同じキャリアを陸上のトラックのようにぐるぐると回ること)に陥ってしまうという状況があったそうですが、意識をかえるための取り組みを継続的に行っていくことで、着実に効果をあげています

 

(経済産業省HPより http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/nadeshiko.html

 

株式会社サイバーエージェント

 

女性管理職の割合が約20%というサイバーエージェントでは、女性社員が長く働き続けられる環境づくりのために以下の8つの制度を合わせて「macalon」と名付け、社員全体の意識を変えるための総合的な施策を長期的に実施しています。

①エフ休:女性特有の体調不良の際に所得できる特別休暇
②妊活休暇:不妊治療中の女性社員が、治療のための通院等を目的に取得可能な特別休暇
③妊活コンシェル:妊活に関心のある女性社員が、専門家に月1回30分の個別カウンセリングで相談できる制度。
④キッズ在宅:子どもの急病や看護時に在宅勤務を選択できる制度。
⑤キッズデイ休暇:子どもの保育園や小学校の行事の際に、取得できる特別休暇。
⑥認可外保育園補助:認可保育園・認証保育園に入れなかったために復職できない社員を対象に、高額な保育料の一部を負担する制度。
⑦おかち区ランチ:同じ市区町村に住むママ社員同士が子育てに関する情報共有することを促すため、ランチ代を会社が補助する制度。
⑧ママ報:ママ社員向けの社員報。仕事と育児の両立を行うママ社員の体験談や、会社の最新情報などが載っており、産休・育休中の女性社員にも届けることで復職の後押しを行なっている。

 

まとめ

女性活躍推進法の内容や制定の背景、さらには現在企業が取り組む女性活躍推進の課題と事例について紹介しました。
女性活躍推進について企業が行うべきポイントをまとめます。

・女性活躍推進を行うことは男性社員や組織全体、会社経営にもメリットがあることを
組織のあらゆる層に周知し、理解を促すこと

・ライフイベントに合わせた女性社員の「課題」の変化を
コミュニケーションを取りながら、理解すること

・長期的に見通して制度や施策を作ることで、
女性同士のコミュニティ形成や新しい組織風土をつくること

女性活躍推進の根底にあるのは働く社員と経営層のコミュニケーションや相互理解なのかもしれません。
これから先、さらに組織の多様化が進んでいく中で、女性だけでなく誰もが
「自らが望む働き方」を実現できることが求められていくことでしょう。

 

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