お知らせ [レポート]イベント・最終プレゼン

SHISEIDO UNION主催 「働く女性の両立不安解消セミナー」

公開日:2024.01.25更新日:2024.02.01staff

SHISEIDO UNION様主催の「働く女性の両立不安解消セミナー」で弊社代表 堀江が講演を行いました。

グループ会社の80%以上が女性社員、2023年1月時点における日本国内の女性管理職比率も37.6%に到達(2023年12月時点)。そんな日本の「女性活躍推進」を牽引する資生堂グループ様ですが、実際に働いている女性社員からは「結婚・出産・介護など、ライフイベントが発生する度に“ライフとキャリアどちらを優先するのか”と迫られている感覚がある……」「キャリアも大事にしたいけれど、私には無理かもという不安に苛まれている」といった声が寄せられているそうです。
「それぞれ置かれている状況は様々であっても、自分が陥りやすい思考や原因について学び、新しい考え方や視点を身につけるきっかけにして欲しい」といった主催者の想いで今回のセミナーが開催されました。
本レポートでは、セミナーでお伝えした、両立不安を解消するためのポイントを解説していきます。

 

“モヤモヤ”の可視化と要因分析

最初に参加者の皆さんには「モヤモヤ吐き出しシート」を使い、現在の不安を具体的に書き出していただきました。そこでは、「キャリアで新しいことに挑戦してみたいと考えているけれど、自分は完璧主義で手を抜けないタイプ。仕事と家庭を両立できるか不安がある。」「身近に介護をしながら働いている方がいないので、実際自分が介護をする立場になったとき、どう対応したら良いのか分からない……。」といった声が挙がりました。
プライベートのこと、仕事のこと、周りとの関係性、全てを同時に考えようとすると、漠然とした“モヤモヤ”状態に陥ってしまいます。まずは自分が何に対して、どのように悩んでいるのかを書き出し、分類して考えるようにしましょう。また自分1人で考えていると、先読みをしたり自分の力で何とかしようとして、不安や悩みを複雑化してしまう恐れがあります。大切なことはまず「自分がどうしたいのか」ということを明確にし、それを実現するために周囲を巻き込んでいくことです。

 

「ライフキャリア」と「ワークライフシナジー」

もともとは「職業生活」を指す意味で使われていた「キャリア」という言葉。最近では仕事だけでなくプライベートも含め、「生涯において個人が果たす役割(ライフキャリア)」という広義の意味で使用されるようになってきています。「総合的人生設計〜Integrattive Life Planning〜」を提唱したサニーハンセンは、人生は“Labor(労働)”“Love(愛)”“Learning(学習)”“Leisure(余暇)”という4つのL、4つの役割がバランスよく統合されることが重要であるとしています。
それでは自分が望む充実したライフキャリアを築いていくには、どのようにワークとライフを捉え、両立していけば良いのでしょうか?
これまでは「ワークライフバランス」という言葉で象徴されるように、ワークとライフは別物であり、限られた時間を分配して取り組むという考え方が主流でした。しかし、今後必要となってくるのは「ワークライフシナジー」の意識。ワークとライフを相互に影響し合うつながりのあるものとして捉え、プライベートで培われたスキルをワークに活かし、ワークで得た経験をプライベートに活かしていくという考え方です。

 

「ワーク」と「ライフ」を両立させるポイント

ワークとライフを両立させるためのポイントは3つあります。

1.長期的な目線でライフキャリアを考えること
2.頼れるもの・ひと・サービスを増やしておくこと
3.両立のためのチームづくりをしておくこと

 

1.長期的な目線でライフキャリアを考えること
子育てを例に考えてみましょう。子どもが0歳〜2歳までの間は病気にかかることも多く、「こんな状況では両立なんてとても無理…」と悩んでしまう女性も多いのでは?しかし子どもが3歳になるとグッと体力や免疫力がつき、安定して幼稚園や保育園に登園することができるようになります。また小学校に入学してからも、低学年までは物理的サポートがメイン、高学年になると勉強(受験)のサポートがメインというように、親として必要な行動やサポートは、子どもの成長に合わせ変化していきます。「今の状況がずっと続く訳ではない」ということを理解し、長期的な目線で理想とするライフキャリアを描いていくことが大切です。

2.頼れるもの・ひと・サービスを増やしておくこと
日常生活と緊急時、それぞれについて対応策を検討しておくことが必要です。日常生活では家事の時間を短縮できる電化製品購入、宅配サービスや家事代行サービスなどの利用によって、「時間と工程を減らす・まとめる」工夫をすることができます。緊急時に関しては、子どもが病気になった時すぐ利用できるよう病児保育の登録を行なっておく、家族や知人で協力先を複数確保しておくなど、事前に準備を進めておくと気持ちに余裕が生まれます。

3.両立のためのチームづくりをしておくこと
「自分を拡大させていく」「他人を家族にしていく」イメージです。子どもを他人に預けることに対して抵抗感がある方もいるかもしれませんが、他者との関わりによって子どもが「家族以外の人にも優しくしてもらえる・大切にしてもらえる」と実感できることはとても大切なこと。子どもを預けることは決してネガティブな側面ばかりではありません。

VISIONを描き行動につなげる

VISION(ありたい姿)を考える際に大切なことは、「制限を設けずワクワクする姿を描くこと」、そして「叶った前提で断定的な形で書くこと」。
ネクストアクションは、新しく始めることや続けることだけでなく、場合によっては「やめること」の検討も必要です。
実際にワークを終えた参加者からは、「自分のVISIONを具体的にできただけでなく、他の方のVISIONを聞けたことも良い刺激になった。」「介護に対して不安を感じていたけれど、まずは周りの方に話しを聞く、利用可能なサービスについて情報収集を行うなど、具体的な対応策を考えることができるようになった。」といった感想を聞くことができました。

終わりに

「なりたい自分」「理想とするライフキャリア」を実現するのは自分1人では不可能です。「周りをどう巻き込むのか」を考え、周囲との関わりを持ちながら行動していくことが大切。特に職場の上司に対しては、自分の状況と希望を明確に伝えておきましょう。その際、“プライベート”“仕事”“周囲との関係性”という「ライフキャリア3領域」のそれぞれについて、“将来の展望”“現状”“配慮してほしいこと”という3項目を伝えるようにすると、スムーズなコミュニケーションにつながります。また、パートナーに対して自分の希望や要望を伝える際には、VISIONシートを共有する、データを示すなど、聞き入れてもらいやすいコミュニケーション方法を考えて選択することも大切です。

堀江はセミナーの締め括りとして、「グループワークでは、同じグループになった方と意外な共通点を発見して嬉しかったという声も聞くことができました。今後も皆さんが仕事を続ける上で、様々な困難や不安に直面することと思います。けれど今日のセミナーで得たつながりも生かしながら、ぜひアクションプランを継続し、理想とするライフキャリアを実現して欲しいと思います。」とエールを送りました。

 

弊社ではDE&I・女性活躍の専門的視点から組織内の理解を促し、気づきを与える講演会・セミナーのご依頼を随時お引き受けしております。詳細について知りたいという方はぜひお気軽にご相談ください。

 

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参照URL:
株式会社 日経BP.「2023年版『女性が活躍する会社BEST100』 総合ランキング1位は資生堂に」.https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20230506/,(参照 2023-12-18)
株式会社 資生堂.「資生堂の女性活躍・ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の促進」.https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/society/gender-equality3/,(参照 2023-12-18)

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