企業や組織における実践的な課題解決・目標達成を行える人財育成を目的として開講した弊社の新講座、「女性活躍リードコンサルタント養成講座」。自社の課題を分析し、アクションプラン作成までを学ぶことができる「実践」に重きを置いた講座であることがポイントです。
今回は第1期生の受講者のお一人である 齋藤さんに、現在の活動内容や女性活躍推進に対する想い、講座を受講した感想などをお伺いしました。
●お話を伺った方 齋藤 瑞樹 様 |
◆講座を受講して
ーー今回記念すべき第1期生として「女性活躍リードコンサルタント養成講座」をご受講いただきました。得られたことや解消できたことについて伺いたいです
私は人事部門の所属ではないので、自社の女性活躍推進における状況を正しく把握できていませんでした。今回講座を受講して、初めて自社の公開している数値やレポートを読み込み、現状を知ることができました。
自社の女性活躍や人事制度について、ある程度認識できているつもりでしたが、実はデータブックの存在さえ知らず、それを見て初めて課題が浮き彫りになったので、講座を受講することができて良かったと実感しています。
社内インタビューを行う課題では、ライントップの本部長にお話を伺ったのですが、直接対話をして初めてその方がどんな考えを持っていらっしゃるのか理解できました。想定していなかった回答もあり、私が考えていた以上に女性活躍推進の重要性を認識して下さっていると分かったことは大きな収穫です。架空の問題や課題に取り組むのも効果がない訳ではありませんが、自社の課題を見極め、選んで、解決策を考えるという実践に特化しているところが、この講座のメリットだと思います。
ーー今後のネクストステップとしてはどのようなことを考えていらっしゃいますか?
エグゼクティブ登用に関して、もっと女性にもチャンスが広がっていけばと考えています。弊社では、本部長など上位の役職においては、女性はごく少数という状況です。
女性として初めて本部長に就任された方が、当時、会議参加のために会議室へ入室したところ、いっせいに注目を浴びて気まずい思いをしたという話を聞きました。こうした状況は会社として好ましくありません。男性と女性では物の見方や考え方、意見が異なりますし、お客様は男性も女性もいらっしゃるので、女性の意見も反映しなければ会社として生き残るのは難しくなっていくのではと思います。
私が担当している女性活躍を推進するプロジェクトでは、女性社員発案で様々なイベントを企画・運営していますが、多種多様なスキルを持った方が多く、驚くことも多いです。また、個人的には、女性は複数のことを並行して行うマルチタスクが得意だと感じています。力仕事では男性に敵わないかもしれませんが、細やかな気配りや、要領良く物事をこなすというのは女性の長所だと思っています。もっと女性の良さを社内外にアピールし、女性社員には女性ならではの特性を活かして活躍して欲しいと思います。
ーー「女性活躍リードコンサルタント養成講座」は社内で女性活躍を推進できる方を育成したいという想いでスタートした講座ですが、講座を受講された上で、どういった方が本講座の受講に向いているかアドバイスをいただけますか?
そうですね、自分自身の中に想いやビジョンがきちんとあって、実現したいことが明確な方、それを発信して行動に移せる方に受講をお勧めしたいです。講座は「実践」に重きを置いているので、課題では自ら動いて数字を取りに行ったり、対象者に話しを聞きに行く必要があります。受動的ではなく能動的な姿勢が求められると思います。
また他社との繫がりや交流を求めていらっしゃる方にもお勧めです。女性活躍推進はまだ新しい分野で正解がなく、人に教わることも難しい状況です。「女性活躍リードコンサルタント養成講座」は他社の取り組みについて学んだり、お互い自社の課題や解決策を情報提供し合えるところがメリットです。ぜひこの研修を多くの方に受講して欲しいと感じています。
◆現在の活動状況・活動内容について
ーーご自身がどのような経緯で女性活躍推進を担当されることになったかお聞かせいただけますか?
私は法人部門でサービスの企画・開発を担当する部署に所属しています。その法人部門においてDE&I推進に取り組む部署があるのですが、そこから法人部門における女性活躍推進を全体として進めていくプロジェクトが立ち上がりました。実際の活動は4つのプロジェクトに分かれていて、私は“キャリア&ライフプロジェクト”という、社員がキャリアとライフを両立することで幸せな生活を送ることを目指すプロジェクトに所属し、リーダーを務めさせていただいています。
ーー本業とは違う形で女性活躍推進を担当されているそうですが、活動内容や活動頻度について教えていただけますか?
去年は大体月に1回程度イベントを開催していました。イベントは毎月テーマが異なります。他社をお招きして女性活躍推進について話を伺いグループディスカッションを行った月もあれば、更年期や不妊治療をテーマに取り上げた月もありました。会社として大々的に開催するイベントでは難しい、けれど本当は皆が困っていたり実は知りたいと思っているテーマについても意識的に取り上げています。
プロジェクトの開始当初は女性だけだったのですが、男性も参加したいと申し出てくださる方が少しずつ増えています。男性の方が活躍するケースもいくつかあり、例えば、ご自身の知見を活かしてAIに関する勉強会やチャットGPTについて学ぶイベントを開催したり、不妊治療のイベントを開催した際にパネリストとして参加してもらい、“男性の不妊治療”に関してどんな検査や治療を行ったのかお話していただきました。
◆女性活躍推進に関する取り組みを通して感じるやりがいや喜び
ーー女性活躍推進に関する取り組みを進めていく中で、どのようなことにやりがいや喜びを感じていらっしゃいますか?
普段の業務では体験できないことが多く、様々な業務を色々な視点で見ていくことができるという点です。女性活躍推進のプロジェクトはメンバーがフラットなので、上司部下、先輩後輩といった関係やしがらみがなく、様々な部署の方と繋がることができます。その繋がりを活かして普段の業務で分からないことがあった際に話を聞くことができたりと、人脈も広がりました。
今回受講した「女性活躍リードコンサルタント養成講座」でも様々な企業の方が参加されていたので、他社の状況を知ることができたのは大きな収穫だったと感じています。私が本来所属している部署は他社と交流する機会がないので、人脈が広がったり、色々な方とフラットに接することができるというのは大変有意義でした。
ーー他社の女性活躍推進に関する取り組みについて知っていただく機会になったとのこと、弊社の講座を活用していただけたようで良かったです
女性活躍推進は新しい分野なので、まだ教科書や正解がない状態。いいなと思った部分は積極的に取り入れるようにしています。
逆に他社が弊社の取り組みに関して評価いただけた部分に関しては、可能な範囲でできるだけ詳細に情報をお伝えするよう心掛けました。女性活躍推進は競争ではないので、社内外の垣根を超えて助け合いの精神が発揮できる、その点にやりがいや心地良さを感じました。
◆今後の課題だと感じている部分について
ーー現在、女性活躍推進を進めていく中で、抱えている悩みや課題はありますか?
これは他社の話になってしまうのですが、その会社では社会が必要性を認識し始めるかなり前から、女性活躍推進に力を入れて取り組んでいらっしゃいました。けれど「女性」というのを前面に出し過ぎたがゆえに、男性から不満が出てしまったそうです。「女性ばっかり……」「また女性活躍か……」という雰囲気になり、活動や施策が進めづらい時期があったそうです。私自身も、あまりに「女性」を強調してしまうと、男性の不公平感を招いてしまう懸念があり、バランスの難しさを実感しています。
また同じ女性でも、「活躍したかったけれど活躍できなかった世代」への配慮も必要だと考えています。例えば今の50代以上の世代で、「キャリアアップへの意欲はあったけれど、社会的にそうした風潮ではなかった」「パートナーや周りの協力が得られずに諦めてしまった」という方々です。今の若手世代は恵まれていて、女性でも努力次第でマネジメント職に就くことができます。けれどそれが叶わなかった世代の女性社員に対して、どのようにケアをしていくかが課題です。割合としては少ないかもしれないですが、今からでもその方お一人ずつに合った活躍ができないものか都度考えさせられます。
ーー女性活躍推進対象者以外へのフォローやサポートというのは大事な視点ですね
弊社は課長層までの女性は順調に増えてきているものの、部長層以上の女性は急激に少なくなってしまいます。部長以上の女性が少ない理由は何かというところを突き詰めていかなければいけないと感じています。
私も課長職に就いて5年以上経ちますが、部長層以上で活躍していらっしゃるのは、独身でバリバリ仕事をされている方、結婚してもお子さんがいらっしゃらない方、もうお子さんが大きく手がかからない方が多いと感じます。未就学児をもつ女性で部長層以上になった方がまだ少ないので、子どもが小さくても女性がキャリアでチャレンジできる環境やロールモデルの輩出を実現したいと考えています。
◆日本における女性活躍推進について
ーーこれまで御社のお話しを伺ってきましたが、社会全体の女性活躍推進についてどう感じていますか?
弊社の取り組みもまだまだ不十分ですが、“活動を始めている”ということで女性活躍推進のスタートラインには立っているという認識です。けれど社会全体では、まだスタートラインにすら立てていない企業も多いのではないでしょうか。
男性社会で意識改革が必要な企業、意識改革が必要だということにすら気づいてない企業もたくさんあると思います。そうした企業に女性活躍推進の必要性を認識してもらうのはとても難しい問題です。弊社では経営陣が女性活躍推進の必要性を理解し、対外発信も積極的に行っています。現場でも様々な取り組みが進められていますが、それでもなお、意識改革が必要な社員も一定数いる状況です。
弊社がこうした状況であることを踏まえると、女性活躍推進に取り組んでいない企業には意識改革が必要な方がもっと大勢いらっしゃるはず。そうした企業を変えていかなければ社会全体の変化には繋がりません。まずどのようにして多くの企業にスタートラインに立ってもらうか、というところが課題だと認識しています。
いつか「女性活躍」という言葉自体なくなるような、そんな世の中になればと願っています。
ーー本日は、有難うございました。これからもご活躍を応援しています
インタビューの中でもコメントをいただいたように、「女性活躍リードコンサルタント養成講座」では、実践重視であるからこそ他の講座にはない成果を得ることができます。詳細について知りたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
自社の女性活躍課題に対して、独自の取り組みを行いたい方、女性活躍の推進担当になったが何から始めればよいのかわからない方などに向けた、4日間のプログラムで、自社課題を分析し、アクションプランを作成する実践講座です。 ●講座内容 開催時期:毎年7月、11月に開講 ※詳しくはお問い合わせください |