
2025年11月1日で、スリール株式会社は創業15周年を迎えました。
15周年当日には今までスリールに関わってくださった方100名以上をお招きして、ささやかながら感謝の気持ちを込めた「スリール15周年記念イベント」を開催することができました。
開催レポート前編はこちら▶スリール15周年記念イベント開催レポート【前編】|創業15周年の軌跡とこれから:堀江が語る「自分らしいワークライフの実現」
イベント後半は15周年記念のメインコンテンツとして、創業当初から弊社を応援してくださっているジャーナリストの白河桃子氏と、スリール株式会社代表取締役の堀江敦子によるスペシャル対談が開催されました。スリールが男女の育児と仕事の両立への意識・実態調査を実施してリリースした「両立不安白書2025」の調査結果を発表しながら、2010年からの15年間で社会と個人の意識がどのように変化し、今後どのような課題に取り組むべきかについて議論が交わされました。
目次
白河桃子氏×代表堀江スペシャル対談「2010年からの変化とこれから ― みんなが自己選択できる社会にするには?」

15年の変化:社会と制度
この15年で、国の制度や社会環境は大きく変化しました。出生率は低下し、待機児童は大幅に減少しているものの、国際ジェンダーギャップ指数は94位から118位へと後退しました。一方で、女性管理職比率は2010年当時の11.1%から16.3%に上昇し、男性の育休取得率は大きく改善しました。
白河氏は、スリール設立の2010年を時短措置が義務化され、女性が出産後も就業継続ができるようになった「働く女性元年」と評価し、女性が育児をしながらも働き続けられるようになってまだ15年であると指摘。日本の政治的な側面でいうと、高市早苗氏が日本初の女性首相になったことにも触れ、「見える景色が変わることが大切」であり、まずは一人女性が入ることが重要であるということを強調しました。
男性育休取得率が「クリティカル・マス」とされる3割を超え、40%を超えたことは大きな変化だと述べました。これに伴い、男性側からも「この働き方で、僕は管理職とどうやって両立すればいいんですか」といった声が出始め、意識の変化が確認されています。女性からの声だけではなく、若手・中堅・管理職層の男性からの声が上がることが、女性活躍・DEI推進を加速させる上で重要であるとの言及もありました。
個人の両立不安とキャリア意識
2017年の「両立不安白書」では、若手女性の92.7%が両立に不安を抱え、半数が「諦めようと思った」という結果でしたが、2025年版(男性含む)の調査では、両立不安を抱える人は全体で約60%(男性52.6%、女性67.1%)となりました。

特に特徴的なのは、不安を抱えるタイミングが男性の方が早かったという点です。女性が産後復帰の手前で不安になる人が多いのに対し、男性は「結婚前」や「パートナーの妊娠前」に不安を抱える人が多いことが判明しました。

不安の要因を見ると、男性は「経済的な不安」と「時間」、女性は「体力」と「精神力」であり、固定概念として「男性は家族を養うために稼ぐべきだ」という回答が子育て中の男性の36.7%と根強く、これが不安の原因になっている可能性があります。

また、育児期の男性の66.3%が両立不安が原因で転職を考えたことがある(子どもがいる女性は65.0%)という結果も出ており、育児と子育ての両立に葛藤を覚える「両立葛藤」に関しては男性にも強く感じられていることがわかりました。
これに対し白河氏は、女性は育児に直面した際に育休や短時間勤務制度を駆使して、何とか社内での両立を考えるが、一方で男性は育休を取るにしても1か月程度の短期となってしまうことが多く、復帰後は「働き方」で何とか両立と活躍を維持しようとする傾向があると述べました。そのため、自身の希望する働き方が実現できないと、男性の方が離職につながりやすいと言います。そのような背景もあり、働き方を変えられない伝統的な大企業よりも、柔軟な働き方ができ若手~育児期の同じ価値観を持った同世代が集まりやすいベンチャーなどへの人材流出が起きていると分析しています。

加えて注目すべきは、育児中の人の方が管理職志向があるという結果です。(子どもがいる20代・30代でマネジメント志向がある人は39.5%)これは、管理職になることで自分の裁量を担えるという認識が育児期を中心に日本でも浸透し始めた兆候としても捉えられるのではないかとしています。一方で逆に若手からしてみると、日本はまだまだ管理職=長時間労働のイメージがあることも若手世代の管理職意向の低さに影響していると考えられます。
時間制約があっても働き続けられる環境、管理職を担える環境が働きがいにつながると結論付けられています。

「みんなが自己選択できる社会」の実現のための今後の課題とアクション提言

テーマである「みんなが自己選択できる社会」の実現に向けて、企業・社会側と個人側の双方からのアプローチが必要であると論じられました。
企業・社会側の課題として、柔軟な働き方制度の導入、育児・介護と仕事の両立支援の強化、そして、個人のキャリアを会社都合で制限しないマネジメントの意識が重要であると言及しました。また、近年子育て支援が充実するほどに生じる「支援を受ける側と周囲との分断」に対して、男性育休の普及が進み母数が拡大したことで、分断解消のために周囲への評価や報酬が出るようになってきたことにも触れながら、両立を支える人たちへの支援制度を含め、しっかりとした制度設計を行うことの重要性を強調しました。
個人側の課題としては、自身が「何を大切にしたいか」を早期に見つめ、多様なロールモデルに触れる機会を持つこと、特に若い世代に対する「ライフキャリア教育」の必要性が強調されました。また、キャリアについての希望や悩みは身近な人(パートナー、身近な上司や同僚)を巻き込みながら実現に向かっていくこと、あるいはネット署名やNPOへの寄付など、自身の考える未来に向けて行動していくことも必要であるとされました。
白河氏は、スリールが15年間一貫して取り組んできた「ワーク&ライフ・インターン」をはじめとするライフキャリア教育活動が、まさにこの「自己選択できる社会」の土壌を耕す役割を担っていると高く評価いただきました。
最後に:メッセージ

白河氏は、海外は「女性が優秀である」と伝えていくだけで女性活躍が進むのに対し、日本の場合、優秀な女性が自身で抱え込むことで社会から課題が見えづらく、社会の変化が起きにくい側面もあるため、優秀な人ほど少し「手放していく」ことも重要であると述べました。
そして最後に「社会の変化は急速に進んでいますが、制度が変わっても個人の意識が変わらなければ、真の変革は起こりません。スリールの活動が、これからの社会を担う若い世代に、多様な未来を描くための視点を提供し続けることを期待しています。」との熱いお言葉をいただきました。
堀江は、共働きを「大変そう」「無理ゲーだ」と感じる若い世代がいる現状に触れ、参加者に対して「ご自身の周りだけでなく、どういう風に社会を変えていけるか、一緒に考えていきたい」と呼びかけ、対談を締めくくりました。
グラフィックレコーディングの実施
対談の内容を、文字だけでなく絵や図形などのグラフィックを用いてリアルタイムに記録する手法である「グラフィックレコーディング(グラレコ)」の手法を用いて、可視化いただきました。グラレコの途中経過も見られる素敵な動画ができましたので、皆さまぜひご覧ください。
ワーク&ライフ・インターンの卒業生OB・OGによるトークセッション
また、対談の後は、過去のワーク&ライフ・インターンの卒業生OB・OGに登壇いただき、ワーク&ライフ・インターンを振り返っての学びや、現在のキャリアにどう生きているかなどをトークいただきました。イベント参加者からは、「社会構造の大きな流れと、自分のキャリアを考える視点がクリアになった」「日々の業務における多様性対応のヒントを得られた」といった感想が寄せられ、大盛況のうちに幕を閉じました。
スリールは15年変わらずに「自分らしいワーク&ライフの実現」をミッションに、キャリア教育と女性活躍推進を両軸に邁進してまいりました。そしてこれからも変わらず、一人一人と組織に伴走してまいります。
開催レポート前編はこちら▶スリール15周年記念イベント開催レポート【前編】|創業15周年の軌跡とこれから:堀江が語る「自分らしいワークライフの実現」
スリールは、「女性がなかなか定着しない」「両立支援はできているが、活躍支援はできていない」等、御社の女性活躍の段階を客観的に把握・分析し、最適な研修・プログラム・コンサルティング提案をいたします。
女性心理や背景理解をベースとした深い対象者理解を促し、組織内での「関係性づくり」や、「周囲への働きかけを相互に促す」仕掛けにより“本当に行動が変わる”、“組織まで変える”研修を強みとしています。
◼︎女性活躍推進コンサルティング・研修
【現状調査】
【コンサルティング】
【体験プログラム】
【研修】
【研修動画サービス】
【講座】
【その他】
◼︎お問い合わせ先
企業お問い合わせフォーム
Email:office@sourire-heart.com