[レポート]イベント・最終プレゼン

【出演報告】パーソルテンプスタッフ(株)主催HRナレッジセミナーレポート ~多様な人材が活きる組織へ

公開日:2022.01.11更新日:2022.04.08staff

12月10日(金)・13日(月)の2日間にわたり開催された、パーソルテンプスタッフ株式会社主催「HRナレッジセミナー」に、株式会社日立システムズ・西様と弊社代表・堀江が登壇させていただきました。

本セミナーは、変化する環境の中で企業成長を継続していくために重要な「人を活かす・人が活きる組織」をテーマに、人材活用や組織開発に取り組んでいる企業や団体をお招きし開催されました。弊社は13日(月)株式会社日立システムズ様の組織開発の一端を担うコンサルティング会社として、株式会社日立システムズ・西様と登壇の機会をいただきました。

登壇のタイトルは、「多様な人材が活きる組織へ」。当日は、全国250名の方にご視聴いただき、ダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)への意識の高まりを肌で感じることのできるセミナーとなりました。ここではセミナーの内容を抜粋してご紹介します。

 

 

 “対外的なリスクヘッジ”として女性活躍を捉えていませんか?

冒頭で、参加者・企業の皆様のD&Iに関する取り組みについて状況をお伺いしました。

Q. 女性活躍施策は行っていますか?              はい:66%  いいえ:34%

Q. 女性活躍推進を経営戦略と紐づけてKPI化していますか? はい:42%  いいえ:58%

 

こうしたセミナーを視聴される企業様はやはりD&Iについての意識も高いのか、6割以上の企業様が女性活躍支援は行っているとのこと。しかし一方で、経営戦略との紐づけがされている企業様は半数以下という結果でした。

 

次に、D&Iを取り巻くアメリカの歴史的変遷を例に挙げ、1960年代にリスクヘッジとして捉えられていたD&Iが1980年代からは違いに価値を置いたマーケティング施策として、2000年代からはグローバル経営、採用競争力という観点で捉えられるようになってきていること。そして、現に優秀な人材ほどD&Iの環境を好んでいることが紹介されました。

では、日本は今どの状態なのでしょうか?

様々な捉え方があるかと思いますが、日本の現状は、アメリカの2000年代の状態になりつつあると言われています。2015年に一億総活躍が叫ばれるようになってから、コーポレート・ガバナンスコードの改定や、ESG投資などD&Iに関する大きな変化が国内でもこれだけ起きているのにも関わらず、まだアメリカの状況より20年も遅れているのかと驚かれた方も多いのではないかと思います。

 

日本国内で考えると、アメリカに比べ宗教や人種のダイバーシティが多くある環境ではないため、
歴史的に見てもD&Iの第一歩として人口の半分を占める女性から考えていく必要があります。

女性や時間制約のある育児中社員が働きやすい環境は、
介護や様々な制約がある人が活躍できる組織、つまり、強靭な組織を作る第一歩になる。

もしリスクヘッジとしてダイバーシティを考えられているとしたら、
考え方をアップデートする必要があるのかもしれません。(堀江)

 

D&Iに関する様々な取り組みが、実感が持てるレベルで社内に変化を起こしていくのは時間を要するものです。しかし、ISO30414など国際的にも「人的資本」を重要視する動きは止まらないからこそ、女性活躍が“対外的にも何となくやらなければいけないようだから・・”というリスクヘッジとしてではなく、本気で取り組む必要のある課題であることが伝わったのではないでしょうか。

 

とにかく根気強く対話を続けてきた

続いて、D&I推進において弊社も長い間一緒にお取り組みをさせていただいている株式会社日立システムズ様の女性活躍推進の動きについてご紹介いただきました。

日立グループ様は2000年からグループ全体でD&Iの取り組みを開始されて、現在は2030年までに役員の女性・外国人比率を30%にするといった高い目標を掲げられ、女性のみならず若手も含めた多様な人材に対する取り組みを続けられています。

研修や女性社員が女性管理職と対話をする時間、現場の声を吸い上げた社内白書の作成など様々な取り組みを通し、ジェンダー別採用比率や社員の意識の変化に確実に成果をあげられてきた日立システムズ様ですが、実感できる変化に至るまで社内でのハードルはなかったのか?

・・・パネルディスカッションの中ではこれまでの変化劇の裏側を教えていただきました。(以下、セミナー内容を一部抜粋)

 

堀江(以下H)

日立グループ様は、コーポレート・ガバナンスコード改定後すぐに女性管理職30%宣言をするなど、決定が速かった印象ですが、大きな組織の中でどのようにしてそうした合意形成ができたのでしょうか?

西様(以下N)

D&Iに関しては、人事だけでは進められるものではなく、経営層を含めた全社で取り組む必要のあるテーマです。日立グループでいえば、社内の協議会などで社長をトップとした幹部、グループ会社社長の想いを伺う場が設定され、「なぜ自社でD&Iが必要なのか?」という対話を社員と経営層の間で繰り返し行っていることが大きかったのではないかと思います。

また、日立グループ内ではダイバーシティ協議会など、日立製作所をはじめとした日立グループ各社の担当者が集まり適宜情報交換ができる場があるので、グループ会社含め全員が納得感を持って進められているのではないかと思います。

 

H)実際のところ、女性活躍支援についてはハレーションが起こりやすいと言われているが、御社ではどうでしたか?

N)1年目は女性社員側からもかなりハレーションが起きました!ここであきらめずに、これがなぜ必要なのか、繰り返し説明を行い、とにかく対話を続けてきました。3年目になると不思議と起こらなくなってきましたね。

なぜ必要なのか?必要性を根気強く伝えていく、話していく。
施策をつくるだけでは机上の理論になりがちなので、
文面だけではなく、経営層を含めた関係者との対話を重ねることで
同じ想いを持って動ける仲間が増えていくよう心掛けている。(西様)

 

一見取り組みもスムーズに進められ、順調に結果を出されている日立システムズ様ですが、その裏では会社が一丸となって繰り返し対話をすること、全員が納得感を持って進むことに尽力されていることがひしひしと伝わった講演でした。

「究極は、男性女性ジェンダー限らず携わる人が生き生きと働ける環境にすることが大切」

という西様のコメントが暖かくも本質をつかれていて印象的でした。

貴重な機会を提供くださったパーソルテンプスタッフ様、そしてご一緒させていただいた株式会社日立システムズの西様、どうもありがとうございました!


弊社では、今回挙がった疑問やお問い合わせをテーマに、以下の自主講座を予定しております。

本セミナーの中でも、ジェンダーのみならず、既婚未婚、子どもあり・なし、年齢など様々なポイントでステレオタイプを持たないことの重要性、そして、個々のメンバーの背景を理解し、その上でどうやって活かしていくのか?を考えるマネジメントの必要性が議論に挙がりました。

質疑応答でも挙がった「個別マネジメント研修(体験版)」について自主講座にて詳しくお話しさせていただきます。

・1月28日(金) 「管理職のための個別マネジメントワーク体験版」

 

▶お問い合わせ先:office@sourire-heart.com

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