コラム

「女性活躍リードコンサルタント養成講座」受講者座談会(前編)

公開日:2024.05.20更新日:2024.06.12sourire staff

人財を経費ではなく資本として捉え、効果的な投資を行うことによってリターンを生み出す。こうした人的資本経営の実行が急務となる昨今、弊社では企業や組織における実践的な課題解決・目標達成を行える人財育成に貢献したいという思いから、「女性活躍リードコンサルタント養成講座」を開講しました。女性活躍推進を社内で牽引するリーダーの輩出を目的とした本講座は、自社の課題を分析し、アクションプラン作成までを学ぶことができる「実践」に重きを置いた講座であることがポイントです。

今回は「女性活躍リードコンサルタント養成講座」の第1期生の中から4名の方にお集まりいただき、座談会を開催しました。受講生の皆さんにお伺いした講座の感想やネクストステップについて前後編の2回に分けてお伝えします。

女性活躍リードコンサルタント養成講座」とは

自社の女性活躍課題に対して、独自の取り組みを行いたい方、女性活躍の推進担当になったが何から始めればよいのかわからない方などに向けた、4日間のプログラムで、自社課題を分析し、アクションプランを作成する実践講座です。

●講座内容
DAY1:コンサルタントの役割/社会的な潮流:女性活躍推進が注目される理由/なぜ女性管理職は増えないのか(理論的背景)
DAY2:女性活躍推進の実践ポイント/実践!女性活躍・課題分析リサーチ/Homework:自社の「課題分析リサーチ」実践
DAY3:自社の課題分析リサーチ発表/課題からアクションプラン策定へ/具体施策の事例紹介/
              Homework:自社の「アクションプラン」作成
DAY4:自社の「アクションプラン」プレゼン/プレゼンへのフィードバック

開催時期:毎年7月ごろ開講  ※詳しくはお問い合わせください
2024年7月開講「女性活躍リードコンサルタント養成講座」についてはこちらから

 

●参加者

Aさん
公益財団法人の職員、人事統括部所属

Tさん
マーケティングソリューション系企業の人材開発部所属。養成講座にはNさんと2人で参加

Nさん
マーケティングソリューション系企業の人材開発部所属

Sさん
大手IT企業勤務、事業戦略本部所属

●ファシリテーター:本養成講座講師 スリール代表 堀江

 

◆講座を受講した理由

堀江:改めまして、この度は「女性活躍リードコンサルタント養成講座」をご受講いただき有難うございました。記念すべき第1期で皆さんに伴走させていただけたことを感謝しております。また、皆さんがレベルアップされていく姿を間近で拝見することができ、とても嬉しく感じています。今回の座談会では本講座の受講を検討されている方へのアドバイスや、講座をより充実したものにするためのアイディアもお伺いできればと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それではまず講座を受講した理由についてお伺いできますか?

Aさん:私の場合は直属上司からの勧めで受講しました。私が現在行っている女性活躍推進の業務は社外に向けた内容が多かったのですが、「社内で女性活躍推進を進めるにあたって本当に必要なことは何か」を改めて理解しておきたいという思いがありました。

Nさん:私は昨年4月に現在の部署へ配属となり、女性活躍推進に関して過去の知識はあったものの、最新の情報や社会的潮流をキャッチアップしたいという思いで受講しました。今回弊社からはTさんと私の2人が参加したのですが、私たちには「キャリアにおいて社員には性別関係なく活躍して欲しい」という思いがありました。2人同時に受講することで、その思いを実現する知識のベースを共有することができて良かったと思っています。

Tさん:私はNさんにお誘いしていただいたことがきっかけで参加しました。私が人事部門へ配属となったのは昨年8月ですが、実はそれ以前からチームのメンバー向けにキャリア支援活動を行っていました。その活動を通して感じたのが、女性はキャリアの面で役割意識や思い込みがネックとなって、挑戦できない場面がまだまだ多いということ。今回講座に参加することで、課題解決のヒントを得ることができればという思いがありました。

堀江:NさんとTさんは誘い合ってご参加いただいたとのことですが、弊社としても今後、同じ企業から複数人で受講していただければ嬉しいなと考えています。お2人で参加していただいたことでメリットはありましたか?

Tさん:受講後その場ですぐ学んだ内容の共有をしたり、意見を出し合ったり、次の行動を考えたりできたのが良かったです。また、課題となったリサーチはボリュームが多くて大変だったので、分担できたというのも助かりました。

堀江:有難うございます。複数人でご参加いただくと、社内での共有がスムーズに進むというメリットがありそうですね。

Sさん:私は同じチームのメンバーが以前スリールのワーク&ライフ・インターンに参加したことがあり、堀江さんとご縁があった関係でこの講座を知り、参加させてもらうことになりました。本務の組織としては上司・部下の関係性がないことはなく、上司⇔部下はもちろん組織メンバー間でナレッジ共有や分からないことを教え合ったりしますので異なります。けれど「正解」を見つけるのが難しい女性活躍推進という領域では、誰かが中心となって学び、牽引して行かなければ進まないと感じていました。また、女性活躍推進は企業が単独で取り組むには限界があります。この講座に参加することで、社内では得られない課題解決のヒントや学びを吸収できればという思いがありました。

 

◆講座を受講して良かったこと

堀江:はじめて知ったことや面白かったことなど、この講座を受講して良かったことについて教えていただけますか?

Aさん:1日目の講義で「なぜ女性活躍推進が必要か」というのを論理的に理解することができて良かったです。D&Iに取り組んでいない企業は今後社会に通用しなくなる、評価されなくなるということを強く実感しました。

また社内リサーチを通して分かったのは、若手層ですでにジェンダーギャップが存在していること。私はこれまで管理職・リーダー職に上がる段階で大きなジェンダーギャップがあると感じていたのですが、若手層で発生しているジェンダーギャップを解決しなければ次のステップには進めないということが分かりました。

Nさん:弊社は女性活躍推進が重要課題であるという認識がない状況でしたが、この講座の受講をきっかけに、社内状況をリサーチしたり、それに対する解決策を提言したりして、女性活躍推進をメインテーマとして取り扱えるようになりました。

女性活躍推進の取り組みにはステップがあるというのを理解できたのも良かったと思っています。他企業の方と一緒に学べたことで、自分たちがどのステップにいるのか、どの部分はできていてどの部分ができていないのかを把握することでき、次にどんな行動を取れば良いのかを具体的に考えることができました。

Tさん:1番良かったなと思っているのは、リサーチを通して自社の状態を客観的なデータで把握できたことです。これまで現状にモヤモヤした思いを抱いていたのですが、データとしてまとめることによって、自社の良い部分と悪い部分、両方を知ることができました。

あとはNさんもおっしゃっていたように、他企業の方と一緒に受講できて良かったと思っています。これまで社内でしか議論をする場がなかったので、色々な方とお話しをすることで新たな視点を得ることができました。

Sさん:この講座の良いところは、自社の課題をそのまま講座の課題として取り組めるという点にあると思います。一般的なケーススタディーで学ぶ講座であれば他にもあると思うのですが、この講座はリサーチによって自社の状況を把握し、それに対する解決策を考えていくという構成。リサーチは確かに大変でしたが、いずれ取り組まなければならなかった課題を、講座で学びながら取り組むことができて良かったと思っています。

 

◆社内の反応

堀江:皆さんには講座で学んだ内容について社内で共有する機会を持っていただいたかと思うのですが、周りの方や社内の反応はどうでしたか?

Aさん:日常業務と並行してリサーチやプレゼン資料を準備するのは大変でしたが、私の様子を見ていた周りの方は「良い研修に参加してるね。」と声をかけてくださいました。研修は参加するだけで終わってしまうということが多々ありますが、この講座は学んだことをきちんとアウトプットして形にするので、実りのある講座だということを社内の方にも理解していただけたようです。

ただ、この講座で学んだことを社内で共有していく際には、女性活躍推進が重要課題であるという意識を持っていない方に、論理的に伝え理解してもらうことの難しさを実感しました。

Nさん:チーム内で講座の学びを共有するプレゼンを行ったのですが、「経営層に理解してもらうためにはもっとこういう視点も必要なんじゃないか。」といったアドバイスをいただきました。今後はフィードバックを基に資料の改善を計りつつ、リサーチも継続して、当事者へのヒアリングなども行ってみたいと思います。女性活躍推進が重要課題であると認識してもらうためにも、もう少しデータを増やし、分析をしっかり行いたいと思います。

Tさん:ヒアリングで他チームに協力を依頼した際、個別に「応援してるよ」というメッセージをたくさんいただきました。表立った行動や意思表示はされていない方でも、実は女性活躍推進の重要性を理解し、応援してくれている人がたくさんいるということを実感しました。

堀江:少し私のケースをお話しさせていただくと、楽天に入社して2年目の頃、同期と一緒に働きやすい環境を創るため、自主的な勉強会を開催していました。最初の頃はメンバーだけで活動していたのですが、継続していくうちに人事の方が手助けをしてくれたり、どの役員に話を通せば良いのかアドバイスをしてくれる方が出てきたり、少しずつ人脈が広がり周りからのサポートが得られるようになっていきました。組織改善は一筋縄ではいきませんが、やはりまずは声を挙げること、少しずつでも行動を続けて行くことが大切だと思います。

Sさん:私はリサーチの中で、統括部長と本部長にヒアリングを行いました。それまでお2人が女性活躍推進に関してどういった考えをお持ちなのか分からなかったので、正直不安はありました。けれど実際お話しを伺ってみると、統括部長は性別に関係なく、自分がどういうキャリアを積んでいきたいのか、どういうふうに会社を変えていきたいのかという意志をきちんと持った社員を評価されていることが分かりました。

また、本部長はご自身も育休を取得され、奥様と共働きで苦労されてきた経験をお持ちだったこともあり、女性活躍推進を重要課題だと認識されていたことも分かりました。「女性活躍推進は短期間で結果が出るものではないけれど、少しずつでも取り組んで行けば下の世代必ず良い結果が出るから。」と励ましの言葉もかけていただき、とても嬉しかったです。

私が想像していたよりも、経営層の方々が女性活躍推進を意識されていたことに気付くことができたのは大きかったですね。近々人事部門のトップの方々とお話しをさせていただく機会があるので、そこで自社の課題とそれに対する解決策を提案させていただく予定です。

後編では女性社員のネットワーク構築方法やネクストステップについて触れています。後編もぜひご一読ください。

2024年7月開講「女性活躍リードコンサルタント養成講座」についてはこちらから

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