スリールが提供する「女性活躍リードコンサルタント養成講座※」を、2024年から継続で導入いただいている日本生活協同組合連合会(日本生協連)の、全国の生協のビジョンや方針の策定、そしてDEI経営の推進を担当する政策企画室 室長 平野路子様に、連合会としての取り組み、また講座導入による効果等について、代表 堀江がお話を聞きました。
※「女性活躍リードコンサルタント養成講座」は通常、さまざまな企業から参加を募り、合同で行っている講座ですが、日本生協連様での講座のかたちとして、全国各地にある生協からダイバーシティ担当の方々にご参加いただき、交流しながら実施する組織内講座をご提案させていただきました。2年間(2期)継続で実施をいただいています。

(右)スリール代表 堀江敦子
目次
知識のインプットだけでなく、担当者が課題に向き合い、アクションできることが重要
堀江: 今回、スリールの「女性活躍リードコンサルタント養成講座」を日本生協連様の会員組織向けに導入いただきました。まずは、この講座を導入しようと決めた「意図」と、そこに至るまでの「経緯」について詳しくお聞かせください。
平野: 日本生協連は、全国の生協(単位生協)が加盟する連合会です。私たちは全国共通の指針を作りますが、現場を直接動かす権限はありません。つまり、現場を変えるには各地の生協の担当者が自律的に動く必要があるのですが、これまでのやり方には限界を感じていました。
これまでの研修では、著名な講師を招いたトップ向けの学習会や講演会を行っていました。そうすると、参加者からは確かに「良い話だった」という感想はいただくものの、現場の具体的なアクションを加速することに繋がらない。じわじわ取り組みは進んではいるのですが、2020年度までに女性リーダー比率を15%にするという目標は未達成に終わりました。
堀江: 知識のインプットと現場の実践の間に、大きな溝があったのですね。
平野: おっしゃる通りです。ただ学ぶだけでなく、各生協の担当者が自ら組織の課題を分析し、泥臭く行動計画(アクションプラン)を作り、それを遂行していく。つまり、外部のコンサルタントに頼り切るのではなく、担当者自身が「社内コンサルタント」として組織を動かす力をつける必要があると考えました。
スリールさんの「女性活躍リードコンサルタント養成講座」は、まさにその伴走支援型であり、各生協のDEI担当者をリードコンサルタントとして育成するというコンセプトが、私たちの今のフェーズに合致したのです。

配送現場に漂う「諦め」と「見えないバイアス」
堀江: 導入にあたり、各生協の状況を深く調査されましたが、具体的にどのような課題が浮き彫りになっていたのでしょうか。
平野: 最も根深かったのは、生協の主力事業である宅配(トラック配送)の働き方へのバイアスです。
現場では、「2トン車を運転し、重い荷物を運び、決められた時間に配送する仕事に、女性を定着させ、育成するのは簡単ではない」という考えが、なかば前提になっていました。
堀江: 「この業種だから、これ以上は無理だ」という思い込みもあるかもしれませんね。
平野: はい。このバイアスは、現場だけでなく人事担当者や経営層にも少なからずありました。この壁を乗り越えない限り、現場経験を積んで幹部になっていく女性は現れません。
しかし、連合会が女性幹部を育成することの重要性を掲げても、現場では日々の人手不足の運営課題に直面しており、重要だけど長期的な課題について分析したり対策を考えたりすることは難しい状況でした。だからこそ、まずは全国の担当者と私たちが共通言語を持ち、現場のリアルな困りごとを言語化する力を持つことが急務でした。
また、各地域の担当者は組織内で一人きりで奮闘していることが多く、他生協の成功事例を知る機会も少ない。この孤立が、「うちでは無理だ」という思い込みをさらに強固にしてしまっていたのではないか、と考えました。

各生協の知恵が繋がれば、バイアスが溶けてアクションが起こる
堀江: 実際に講座が始まり、全国から応募してきた生協の担当者が集まりました。各生協同士が連携することで、現場にどのような変化が起きましたか?
平野: 「女性活躍リードコンサルタント養成講座」のなかで、スリールさんの専門家と対話をしたり、他生協の事例共有をしていったことが、能動的なアクションにつながっていったのです。
印象的だったひとつが、ある担当者が「配送現場で時短勤務なんて導入できるわけがない」と発言した際、「本当にできないのですか?」と堀江さんから問われて、「確かに、変えていけないことはないのか…」という気づきがありました。その際、別の生協の担当者から「うちは配送ルートを工夫して、もう数年前から当たり前にやっていますよ」と思いがけない共有が得られ、ネックが配送ルートだとわかった、ということがありましたね。
堀江: あの瞬間、参加者の皆さんの表情がガラッと変わりましたよね。
平野: そうなんです。「できない」と思っていたことが、隣の生協では「できている」。この事実は同じ立場の担当者同士実践交流したからこそ見えてきた打開策で説得力がありました。
生協同士が集まることで、知恵の共有が自然発生し、それが「自分たちにもできるかも」という強い確信に変わっていった。一人では孤独だった担当者が、全国に同じ悩みを持つ仲間を見つけ、心理的安全性を確保した状態で「よし、うちも変えてみよう」と率先して動けるようになったのです。
担当者が本質的な課題に気づき、仕組みそのものに切り込み、自主的に変革していく
堀江: 2025年12月に実施をした2期生の卒業プレゼンテーションでは、単なる啓発活動にとどまらない、非常に踏み込んだ施策が次々と提案されていました。1期生は卒業後の1年間の間に、経営層への働きかけなどのアクションも沢山されていましたね。
これは、初回のキックオフの際、女性活躍を入り口として組織全体で今後どんなことが起こっていくのかを考える「バッドエンドワーク」の実施を行ったことで、“女性活躍が組織としての課題であること”を理解していただけたからだと感じています。
[バッドエンドワーク]

平野: そうですね。最初は「採用をどう増やすか」という入口の議論ばかりでしたが、最後には「評価制度の改定」「コース転換制度の設計」「管理職の役割の見直し」など、組織の根幹である仕組みに切り込むアクションプランが並びました。
また、それらを「どの課が誰の権限でやっているか」の整理も行いましたね。そのことで、自分の範囲内でできることではなく、誰に何を伝え、巻き込んでいくのかという考え方になっていったと感じました。
そういった、アクションが出てきたことが嬉しかったです。そして、何より素晴らしいのは、担当者たちが「自分たちの組織をこう変えたい」という意志を持って、自発的に作り上げたものだという点です。
[カスタマイズ版:女性活躍リードコンサルタント養成講座]

現場の知恵を「生協の新しいスタンダード」へ
堀江: この講座を通じて、平野さんご自身が得た最大の気づきは何でしょうか。
平野: 私自身も、現場の解像度が格段に上がりました。これまでは一方通行の情報発信でしたが、インタラクティブな場を持ったことで、現場がどこにブレーキを感じ、どこにアクセルを踏みたがっているのかが手に取るように分かりました。
堀江: 今後、この動きをどのように発展させていきたいですか。
平野: 今回集まった現場の知恵を結集し、日本生協連としての成功モデルをバージョンアップし続けたいと考えています。また、今回育った講座参加者の皆さんが、今度は自分の組織内で次のリーダーを育てていく。このポジティブな連鎖を全国に広げ、生協らしいDEIの形を完成させたいです。
堀江: 「配送現場だからこそできる、新しい働き方の形」が、生協様から生まれてくることを確信しています。これからも全力で伴走させていただきます。ぜひ、続けていきましょう!
スリールは、「女性がなかなか定着しない」「両立支援はできているが、活躍支援はできていない」等、御社の女性活躍の段階を客観的に把握・分析し、最適な研修・プログラム・コンサルティング提案をいたします。
女性心理や背景理解をベースとした深い対象者理解を促し、組織内での「関係性づくり」や、「周囲への働きかけを相互に促す」仕掛けにより“本当に行動が変わる”、“組織まで変える”研修を強みとしています。
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