将来に向けた更なる企業成長を目指し、多様な人財の活躍推進を行う明治ホールディングス株式会社様。
これまではグループ3社がそれぞれでD&I施策の導入を行ってきましたが、グループ一体としてD&Iを進めていくという初めての試みを推進すべく、弊社のコンサルティングを導入いただきました。本ミッションを主導して進められているグループ人事戦略部の濱田志さんに伴走型支援の効果についてお話しを伺いました。
––外部コンサルティングを導入されるに至った、当時の課題感をお聞かせください。
市場やお客様の価値観の変化の中で、弊社がこの先も日本のみならず世界で成長し続けるために目指す像として、2018年に『明治グループ2026ビジョン』を設定しました。
その後、『2026ビジョン』の実現に向け、経営戦略に紐づけた人財戦略を策定・実行するための新設組織として「グループ人事戦略部」を2021年に新設し、これまでグループ各社で動いていた人財戦略について、我々ホールディングスが舵取りを行うこととなりました。
『2026ビジョン』の実現には、明治グループで働く従業員一人ひとりが能力を最大限発揮し、活躍することが必要不可欠です。そこで、人財戦略の中でもD&Iを中核に置き、その中でも、弊社の製品の特徴上、お客様の属性として女性が多いこと、そして波及効果の高さからも最大マイノリティの女性にフォーカスを置き、2026年女性管理職比率 10% (20年実績 3.7%)を目標に掲げています。
しかし目線を現実に戻すと、女性活躍推進においてグループ各社で進捗にばらつきがあるばかりでなく、ホールディングスとしてどう旗振りをしていけばグループ全社が腹落ちして進められるのかと迷うことが多く、推進体制は出来上がっていたものの、現場での具体の推進方法については課題が多くありました。
––スリールにご興味を持っていただいた背景、また、弊社コンサルの導入に至った理由や経緯をお聞かせください。
推進にあたっては人財育成、特に女性活躍推進について専門の伴走者がいたら心強いと感じていました。スリールさんに依頼を決めたのは、女性活躍推進の必要性をはじめ、弊社の目指したい姿に対しての深い理解、そしてビジョンドリブンで進める強力な引率力でした。
スリールさんのコンサルティングは、一般論としての解の提供だけではなく、数々の研究に裏付けされた提案と圧倒的な当事者意識により、うわべではなく本質的な変化に働きかけるものです。スリールさんに入っていただいたことで、社内では収集しきれない数値やデータ部分をもとに、社内の説明説得が行えただけでなく、社内だけではくじけそうになるところを外部の目で監査されることで踏ん張れることができたと思っています。
特に、アドバイザーとしてスリールさんにも検討に入っていただいた『明治グループ ダイバーシティ&インクルージョンポリシー』は、これまでも判断に迷った時や、検討の際に立ち戻れる、グループとして目指したい姿がしっかりと詰まったものとなりました。
経営戦略を遂行するための人財戦略としての整理と併せて、人的資本に関する情報開示の国際ガイドラインであるISO 30414で定義された項目で整理されている点が大きく意味を持っています。こういった部分も、内部の視点だけで整理することは難しい部分であり、市場(外部)視点を持ち、かつ本領域での知見を持つスリールさんにアドバイスいただいたからこそ実現できたと感じています。
––10年後のビジョンを話し合う「対話の会」や推進状況を話し合う「D&I分科会」を通じ、ホールディングスが主導し、グループ会社一体での議論が行われました。
これらの取り組みをしたことで、その後の動きにどのような影響があったと感じられますか?
当初は各社より「なぜグループ一体でやらなければいけないのか?」といった疑問があがっていましたが、「対話の会」で各社内のサーベイ結果を深堀りしたり各社の課題を挙げていくと、予想外にも各社の課題が共通していることが分かりました。
目指す先が同じだという体感値を各社が感じ、事業会社の発信を増やしていくことで、旗振り役のホールディングスの一方通行ではなく、グループ間の双方向での改革の動きが生まれたのです。今では、「D&I分科会」での情報交換、好事例はグループ内に広げようとする水平展開の動きが出てきたことで、自走する好循環が生まれています。
推進体制や仕組みづくりはもちろん大切ですが、それだけでなく、関係するメンバーに対して対話を続けること、発信していくことがいかに重要か、これらの取り組みを通じ実感しています。
後編では、グループ共通課題に基づきスリールが行った、女性管理職パイプライン構築に向けた共通施策について社内の反応をお伺いしていきます。
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