[インタビュー]企業

明治ホールディングス株式会社:【後編】ビジョン実現のため、グループ一丸となって進める女性活躍推進

公開日:2023.09.08更新日:2023.12.25staff

インタビュー前編でお伝えしたグループ三社で行った「対話の会」を通して見えてきたグループ共通課題に基づき、女性管理職パイプライン構築に向けた共通施策をスリールが実施しました。
その一つが、育児期社員と上司の掛け合わせ研修です。この取り組みの目的は、育児期社員の両立支援と、多様な状況下の部下を持つ上司のマネジメント力強化でした。

––育児期社員と上司の掛け合わせ研修を実施されて、受講者の変化はありましたか?

育児期社員、上司共に受講者の満足度が非常に高い結果となりました。
育児期社員は3年後の自身のビジョンを深堀りすることで、これまで「子育て中だから・・・」と自分の希望・想いに蓋をして、キャリアに対し受け身になっていた部分があることに気付き、さらに子どもの成長と併せたより具体的な見通しが持てたことで、「上司や周りに積極的に自分の想いを伝えていきたいと思う」、といった意識の変化が見られました。
また、上司の方は、育児期社員のマネジメントの悩みについて、横の繋がりがなく、悩みを共有する場もなかったことから、それぞれが個別に対応を模索していたことがわかりました。研修を通し、“お互いに同じことに悩んでいる”と知ることで解決の糸口を掴みやすくなったようです。
それぞれ意義のある研修となりましたが、最後に育児期社員と上司が同じ場で本音をぶつけ合う合同研修があったことで、両者にとってより納得感が持て、今後の行動が変わる研修となりました。
上司にとってはリアルな部下の姿や想いを聞く場として、育児中社員にとってはこれまでの研修で整理された自分の本当の想いを伝える場として、お互いがこれまで“できているようでできていなかった”コミュニケーションの重要性を肌で感じる機会となりました。

グループ共通施策①育児期社員×上司の研修の流れ

––50名近くの多くの女性社員が参加された「女性管理職ネットワーク交流会」での受講者の変化について教えてください。

女性管理職ネットワーク交流会」では、CEO、CSOからD&I推進について、特に女性活躍推進への強い想いを発信いただけたことで、取り組みに関する会社の本気度を伝えることができ、参加者の士気の高まりを実感しました。
交流会の目的の一つとして、同じく管理職としてがんばっている社員同士の横のつながりを創出できただけでなく、ロールモデルトークでは経営層など一段上のポジションの方々にも登壇してもらうことで今後のキャリアの具体的なイメージを持つことができるなど、「励ましあえる横の繋がり×より具体的になった将来のキャリアビジョン」の相乗効果が生まれました。
自分たちは期待をされているし、活躍していくことが会社の成長や後輩たちの育成にも繋がることが腹落ちしたことで、「今後もっと視座を高めていきたい」といった感想が多く寄せられました。

グループ共通施策②女性管理職ネットワーク交流会の流れ

––グループ共通施策を行い、アンケートや参加者の声から見えてきたものはありましたか。

これまでも全体的なエンゲージメントサーベイは行ってきたので、女性社員の想いに関してはある程度把握できていると思っていました。しかし、今回本音を洗い出す研修や交流会を通し多くの生の声を聞くことで、私たち会社が思っていたよりも女性社員のキャリア意識が高かったことに気付かされました。
また、そうした意識があるのにも関わらず、管理職への登用などが進まなかった原因として、管理職パイプライン(*)の構築にいくつかの課題があることが分かりました。

*リーダーシップパイプラインとは、採用から管理職、組織のトップまで途切れることのないパイプラインを作り、組織全体でリーダーを育成しようという仕組みのことです。各役職での男女比率が採用時の比率と乖離していないかチェックすることでパイプラインの欠陥部分を知り、要因を特定しやすくなります。理想は各役職での男女比率が採用時の比率と同程度になることです。

本質的な課題の明確化や、その課題について詳細に分析できたことで、取り組むべきことがクリアに見えてきたことは大きな意味があり、今後変化を続ける上でも欠かせないものです。
こうした社員の本音を聞く取り組みは、今後も継続的に取り組んでいかなければいけないと感じています。

––取組みを進めていく中で、御社CEOの人的資本経営への考え方に変化はありますか?

人財戦略を経営戦略と紐づけして話し合うことを目的とし、CEOとは密に対話を続けてきました。次第に「D&I、女性活躍がなぜ会社として必要なのか?」を深くご理解いただき、社内に対して積極的にメッセージを発信いただくようになりました。
また、スリールさんのご提案もあり、30% Club Japan(*)に参画しました。今後はより一層、社外との対話にも積極的取り組んでいきたいと考えています。
トップの意識や想いが取り組みの推進力を大きく左右するので、いかにトップと一体となって進めていくかが重要な点だと実感しています。

グループCEOによる発信

*取締役会を含む企業の重要意思決定機関に占める女性割合の向上を目的とした世界的キャンペーン。TOPIX100の取締役会に占める女性割合を2030年をめどに30%にすることを目標に活動している。

––最後に次のステップとして実施されたいことを教えてください。

まずはD&Iの第一歩として女性活躍推進に重点を置き施策を行っていますが、今後は女性以外の属性も含めて様々なアプローチでD&Iを推進し、従業員一人ひとりがイキイキと働ける明治グループを実現したいと考えています。

––ありがとうございました。

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