レポート

Embrace Equity~女性のキャリア自律を叶える組織×地域とは【キャリア自律行動をどう促進させるか?】

公開日:2023.03.24更新日:2024.04.02sourire staff

スリールは、女性就業者の31%が従事するサービス・ホスピタリティ業界に焦点を当て、「働く女性・次世代の女性が自律的なキャリアを構築できる環境作り」をテーマとしたウェビナー「当事者の声から考える女性のキャリア自律を叶える組織×地域 #Embrace equity」を開催しました。この企画は、女性1人1人が自分らしく生きられる社会の実現に向けて活動を続けられているLVMH Perfumes & Cosmeticsとのコラボレーションによって実現しました。

女性のエンパワメントを目的に始まった協働プロジェクトの2年目として、開催された今年のウェビナーでは以下のゲストの方にご登壇いただきました。2022年国際女性デーウェビナーの様子はこちらから。

ウェビナーの様子をまとめた冊子もご用意しています(無料)ダウンロードはこちらから。

■登壇ゲスト(五十音順)

□江藤悦子氏

イオン株式会社 ダイバーシティ推進室長

1989年(株)マイカルに入社。2011年企業合併によりイオングループの傘下に入り、イオン(株)で人材育成を担当。マレーシアで6年間の海外勤務を経て、2022年に現職就任。

□大野裕子氏

マリオットグループ 日本地区採用担当マネージャー

複数の外資系ホテルにて20年以上勤務。現在はマリオットインターナショナルのCluster Talent Aequisition Manager。

□白澤 晶子氏

LVMH P&C 人事VicePresident

米国大学院卒業後外資系企業の人事部に入社。2003年LVMHグループに入社し、ルイ・ヴィトン、グラン、ロエベおよびLVMH特株会社のHRディレクター職を経て、2023年1月に現職就任。

□手塚淳志氏

兵庫県豊岡市 総務部 ジェンダーギャップ対策室主任

地方銀行での勤務を経て2016年に豊岡市へUターン、市役所入庁。現在はジェンダーギャップ対策室にて民間事業所のジェンダーギャップ解消に取組む。一児のパパでもあり、2019年に育休を取得。

昨今、保育の受け皿拡大による待機児童解消や、コロナ禍により、リモートワークなどの柔軟な働き方を始めとする様々な制度を

取り入れる企業も多く出てきましたが、こうした制度はいずれもオフィスで働く人たちを対象としたものが多く、土日祝日勤務や、物理的にリモートワークの叶わないサービス / ホスピタリティ業界で働く人たちが活用するにはハードルがあります。

また、そうした業界で働く女性たちが子育てや介護などの状況下でもキャリアを継続しようとした際には彼女 / 彼らの自助努力に頼らざるを得ない現実があります。

人生 100 年時代といわれる現在、個人個人が自分のキャリアに興味を持ち、自律的にキャリア開発を行っていくこと、すなわち、【キャリア自律】が求められています。

今回私たちはキャリア自律行動の尺度を参考に、女性のキャリア自律における3つのポイントを設定しました。
①継続的にキャリアを続けたいという意欲がある
②仕事に前向きに取り組む、もしくは、スキルアップなどを積極的に行っている
➂それに向けて、必要があれば職場内・家庭内・それ以外にヘルプシーキングを行っている

これらの行動を実現するために、当事者を取り巻く4つの環境(個人・家庭・企業・地域社会)それぞれの何が促進要因、阻害要因となっているのか?
ウェビナーではアンケートの速報値をご紹介しながら、ディスカッションを行いました。

キャリア自律行動を、どう促進できるか?

仕事へのやりがい

促進要因としてまず最初に挙げられたのは「仕事のやりがい」。今回のアンケートでは仕事のやりがいを感じている人の方が感じていない人に比べて、キャリア継続の意志が2.55倍高いという結果が得られました。「仕事へのやりがい」はキャリア継続の重要な鍵であることが分かります。

大野氏は、「弊社では仕事へのやりがいを感じているのに、夜勤や変則的なシフト勤務があることで、周りにサポートを求める前に女性自身がキャリア継続を諦めてしまうケースがあります。同僚・上司・会社が一体となって女性の『やりがい』をサポートし、ヘルプシーキングをする前に諦めてしまうという事態を防ぎたい。」とコメントしました。

上司からの後押し

2つ目は「上司からの後押し」。フルタイム社員&育児期社員に対して「フルタイム勤務を続けたりマネジメント職に昇進する際、ポジティブな後押しとなった要素はなんですか」というアンケートを行ったところ、1位「パートナー」(約50%)、2位「上司」(約40%)という結果に。女性がフルタイム勤務、マネジメント職への昇進を決断・実行するには、パートナーと上司からの理解・サポートが大きな後押しとなっているようです。

白澤氏は「弊社は女性がその時々の状況に応じた働き方を選択することを認めています。上司は今後必要となる資格やキャリアプランについて具体的なアドバイスを行い、一度キャリアでステップバックした女性も、子どもの手が離れた際にマネジメントとして復帰できるようサポート体制を整えています。」と自社の取組みについて紹介しました。

ロールモデルの存在

3つ目の要素は「ロールモデルの存在」。今回のアンケートで「ロールモデルがいる」と答えた社員は全体の約45%。ロールモデルがいる人の方がいない人に比べて、キャリア継続の意識が約2倍高いということも分かりました。また、「仕事面でのロールモデル」よりも「育児をしながら管理職をしているロールモデル」を持っている人の方がキャリア継続の意は21.9%高く、「仕事面でのロールモデル」しか持たない人は両立不安に繋がりやすい傾向もあるようです。

江藤氏は、「ロールモデルがいないという声はよく耳にします。弊社では女性の階層別研修を行っていますが、管理職候補の研修を受けている女性に、若手向け研修に参加してもらい、これからキャリアプランを描いていく段階の女性社員が、先輩方の働き方・経験について話しを聞く機会を設けています。身近にロールモデルがいなくても、こうした場を利用して女性同士の繋がりを築いてもらうことができれば。」とコメントしました。

性別役割分担意識

4つ目の要素は「性別役割分担意識」。自分の性別分業役割意識が低い人は高い人に比べてキャリア継続の意識が3.67倍高く、今回のアンケートでは、パートナーの性別役割分担意識よりも、自分の性別役割意識の方がキャリア選択に影響するという結果に。

自身も一児のパパである手塚氏は「私が育児休職を取得した際にも、ジェンダーギャップを感じる機会が多々ありました。子どもと一緒に児童館に行ったりヨガ教室に行ったりしても、お母さんばかりで肩身が狭い思いをしたり……。豊岡市が市内の事業所に対して行った『働きがいに関する従業員意識調査』では、高い役職を担いたいかどうかという質問に対し、YESと答えた女性は全体の26%。NOと答えた女性にその理由を尋ねると、約50%の方が『仕事と家庭の両立が困難になりそうだから』と回答していました。この結果からも、家事・育児はまだまだ女性に偏りがあるということが分かります。」と、豊岡市の現状についてシェアを行いました。

次の章では、キャリア自律を阻害する要因への対応、そして次世代に向けたメッセージについてご紹介していきます。

 

今回のウェビナー開催にあたっては、LVMH Perfumes & Cosmeticsの美容部員600名を対象にアンケートを実施しました。結果や分析を行った「働く女性のキャリア自律白書」は以下から無料ダウンロードいただけます。

「働く女性のキャリア自律白書」のダウンロードはこちらから

本ウェビナーについてまとめた資料はこちらから▼
【ウェビナー特別冊子】当事者の声から考える、女性のキャリア自律を叶える組織×地域

 

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