[インタビュー]企業

株式会社日立システムズ:女性活躍推進の鍵は多様な人財が活躍できる“公正”な環境整備と継続的な支援

公開日:2023.08.02更新日:2023.12.25sourire staff

2019年より「女性管理職育成コンサルティング(メンター制度構築)」を毎年継続導入いただいている株式会社日立システムズ様。本プログラムを主導して進められている人事総務本部 タレントマネジメント部 部長代理の間瀬絵美さんに、女性活躍施策の効果や、課題の変化などについてお話しを伺いました。

 

––弊社のプログラムを導入いただく前に社内にあった課題を教えてください。

株式会社日立システムズ 人事総務本部 タレントマネジメント部 タレントマネジメントグループ 部長代理 間瀬絵美様

株式会社日立システムズ 人事総務本部 タレントマネジメント部 タレントマネジメントグループ 部長代理 間瀬絵美様

弊社は日立グループにおけるITサービス会社として、社会イノベーション・デジタライゼーション事業などを通じて、「真に豊かな社会の実現に貢献する」ことを企業理念にしています。その実現のために、人事部門では「多様な人財が個人と組織の持続的成長につなげること」が重要と考え、多様な人財が活躍できる人財マネジメント・体制・文化の構築として、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以降DE&Iと記載)、多様な人財の自立した働き方の確立として、「ジョブ型に代表される自律的な働き方」の両輪で推進してきました。その中でも、“多様な人財が活躍できる組織”という人事部門の重要ミッションを基に、DE&Iの第一歩として、早い段階からメジャーマジョリティである女性社員の活躍推進に取り組んでいます。
「人に仕事を割り当てる」従来の雇用形態ではなく、「仕事に人を割り当てる」雇用のこと

スリールさんのプログラム導入以前から、女性管理職の目標数は設定していましたが、その数値を達成するためには、社内の環境整備のほか、女性社員や女性社員を部下に持つ上司のマインドセットが必要であると感じていました。

特に弊社の女性社員の状況として、「自分には管理職はできない」「子育て中だから…」と次のキャリアステージに進むことを躊躇してしまったり、上司側でも女性社員の境遇を一律にまとめて解釈し、忖度してしまったりすることがありました。これらは、社員のモチベーションを下げてしまう要因でもあり、女性社員をはじめとする多様な人財のマネジメントに課題を感じていました。

そんなとき、人事系のイベントでスリールさんを知り、女性管理職育成コンサルティングのプログラム内容と、企業向けプログラムを活用して成果を挙げられている企業事例を見て、弊社への導入のイメージが湧きました。また、密なコミュニケーションでこちらの課題やニーズ、想いに真摯に向き合ってくださり、プログラムを最適な形にカスタマイズしてくださったことが決め手となって、研修導入させていただきました。

 

––2019年より継続してプログラムを実施するなかで、社内でどういった変化を感じますか?

課題として挙げていた女性社員のモチベーションや、支援する上司側のマインドセットについては、想定した以上に多くの変化を感じています。例えば、受講後の女性社員アンケートでは半数以上が「この会社での管理職へのハードルが下がった」と回答しているなど、「自分には管理職はできない」と考えていた女性社員の意識が、「自分にもできそうだ」とモチベートされました。多様なリーダーシップを納得してもらうことで、実際に本プログラム受講者のうち、9割以上が管理職として活躍しています。

また、スリールさんと一緒に作り上げた「社外メンター制度」は、弊社の社員比率(女性社員比率15%)からどうしても身近にロールモデルが不在となってしまう弊社のような環境であっても、実際に活躍する社外のロールモデルとしっかりと話し合うことができ、結果として社内にも同じ葛藤や目標を抱える社員いることへの気づきや、横の繋がりが生まれるなど受講者からも好評です。

また、本プログラムに一緒に参加した上司も、個別マネジメントやアンコンシャス・バイアスの理解で、気づきや理解が深まり、部下を後押しできるスキルを身に付けられています。

弊社は、2019年当時は女性の管理職は3%というところから、2023年4月には5%と目標を超える数字を出しています。2025年4月の目標である7%越えをめざし、今後は「職場へのヒアリングや「社内定量調査」を通して、男性社員・女性社員それぞれの想いを汲み取りつつ、改善しながら施策に繋げていく予定です。

 

––女性活躍推進を進めていくと社内でハレーションが起きる、というお悩みを多くの企業様が寄せています。御社の場合はどうでしたか?

弊社でも、プログラム実施当初は「なぜ女性だけなのか?」と性別問わずハレーションが起きました。その背景には、「女性だから…」という言い回しや、目標女性管理職数といった数字ありきのアプローチがあったことが理由と認識しています。

そこで人事部門として、多様な人財が活躍できる“公正”な環境整備を行う中で、女性活躍を推進することが必要なステップであると改めて全体に周知しつつ、受講者には“女性だから 受講する”のではなく、各人の状況や意向を汲みながら、自身のキャリアや強みなどを気づいてもらう機会であることや、自分が上司になった時に部下を育成できるよう知見を持ち帰ってもらう、といった視点も伝えていきました。

結果として、受講者がプログラムで得たことを職場にフィードバックするようになったことで、本プログラムが女性社員のためだけなく、会社のDE&Iに拍車をかけるものだという理解が浸透されることで、ハレーションは少しずつ解消されていきました。

 

––女性活躍推進を発端に社内のDE&I文化が醸成されているのですね。最後に今後の目標を教えてください。

弊社人事部門の重要ミッションは、“性別、年齢、国籍などにとらわれず多様な人財が活躍できる組織”です。弊社の事業ブランドに「Human*IT」というものがあります。人とITのチカラで、驚きと感動のサービスを提供するという思いが込められています。サービス創出するのは“人”なので、人を大事にして、成長に貢献できる仕組みを今後も作っていきたいと考えています。

社員数が多い企業ほど、多様な人財、そして様々な考え、想いを持つ人がいるので、いかに社員の気持ちを汲み取っていけるかが課題です。今後も、社内定量調査などを通し、どんな状況下の社員も活躍できるようDE&Iを推進していきます。

 

◼︎担当コンサルタント/研修講師

喜多村佳美
藤原蘭子  

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