[インタビュー]企業

日清食品ホールディングス:DE&Iを会社全体で“当たり前のもの”とし、個人個人が活躍できる環境づくりを

公開日:2023.09.20更新日:2023.12.25sourire staff

社内でDE&Iを推進されるなかで、社内の意識変革を加速させるために弊社の「ダイバーシティマネジメント研修」を導入いただいた日清食品ホールディングス株式会社様。本プログラムを主導して進められている人材開発部の段村典子様、岡本麻由子様に研修効果についてお話を伺いました。

 

日清食品ホールディングス株式会社
(右)人材開発部 課長 段村典子 様
(左)人材開発部 係長 岡本麻由子 様

 

––ダイバーシティマネジメント研修導入に至った経緯について教えてください

弊社はグループ全体のミッションとして、「多様な属性や価値観を持つ社員がそれぞれの力を発揮して活躍できる職場」を目指し、2016年より様々な取り組みを行っています。2021年には経営課題として改めて「女性社員の活躍」を掲げています。

人事でも「どのような環境で、どのような支援があれば女性が活躍しやすくなるだろうか?」を深掘りしていきました。すると、女性社員を育成する上長にもDE&Iの意義を改めて心底理解してもらうとともに、ダイバーシティ環境下での適切なマネジメント方法をアップデートしてもらう必要があるということがわかってきました。

例えば、「DE&Iの総論は理解するけれど、多様な状況下にある社員のマネジメントにおいてプライベートな部分に踏み込んでいいのか? どのような対話方法が適切か?」と対話を遠慮してしまうケースや、「育児や介護が大変だろう、女性にはハードなのではないか」と、善意のアンコンシャスバイアスによって職務内容において遠慮をする事例が見受けられました。

スリールさんの「ダイバーシティマネジメント研修」は、上司(管理職)が子育てや介護などの状況下で働く当事者の悩みや想いを理解できるようになるだけでなく、メンバー各々の能力を最大限引き出すサポート・マネジメントを学べるものだと感じ、導入に至りました。

––導入前には、スリールの無料セミナーにご参加いただきました。いかがでしたでしょうか?

メディアでも取り上げられることの多い育ボスブートキャンプ(イクボス研修)(管理職が実際の子育て体験やワークショップを通し、ダイバーシティマネジメントを学ぶ実践型の研修)は以前から存じておりました。加えて女性管理職や、男性育休に関する無料セミナーに参加させていただき、スリールさんのセミナーは子育て中の社員の日常の様子を管理職が知るワークや、上司とメンバーの相互理解を深める対話メソッドが盛り込まれており、子育て中の社員のリアルに踏み込んだ内容だと感じました。

研修の雰囲気も感じることができるので、導入を検討している方は一度参加してみることをおすすめします。

––こうした取り組みを始めるとハレーションが起こるケースもよくあります。御社の場合はいかがでしたか?

DE&Iを推進するにあたり、現在日清食品グループではマイノリティの中の最大マジョリティとして女性社員の活躍に特に注力しています。進める中では男女共に、なぜ女性だけに対し活躍を促すのか?といった声もありましたが、それでも推進し続けられたのは、「女性特有のライフイベントがある中、成長機会の公正を実現するための必要な支援である」という考えを経営層が持っており、“会社の更なる成長のためにDE&Iが必要”といったメッセージを発信していたことが大きかったです。

また、人事単独で進めるのではなく、部署の垣根を超えた組織であるダイバーシティ委員会と連携して進められたことで、現場に理解者を増やしながら、同じ目標に向かうチームとして社内の意識変革を加速させることができました。

––研修では、動画視聴とインターバルでのヒアリング実践を取り入れていただきました。オンラインとリアルタイム、2つの形式で研修を行った効果や感想を教えてください

日々業務に忙しい管理職に対し、「どうしたら限られた時間で最大限の学びを提供できるか?」と考えた時に、オンラインとリアルタイムのハイブリット型が適切であると判断しました。

まず、第1部として、eラーニングの形で情報インプットを行いました。ここでは、DE&Iの必要性の理解や、育児期社員の出勤前・退社後の状況の動画視聴に加え、個別マネジメントのポイントについて理解を深めています。eラーニングだったため、各自自分の都合のつく時間に視聴を進められました。

次に、集合研修までの事前準備としてメンバーへのヒアリングを実践してもらいました。この実践においては、業務確認を行うのではなく今後のキャリア展望やプライベートの状況について“聴くこと”を意識し対話することを大切にしています。

第2部では、オンラインでのリアルタイム研修を行いました。受講者同士の対話ができる集合研修の形を活かし、個別面談においてメンバーを活かす伝え方など実践ワークを中心とした内容に設計しています。リアルタイムの研修前にしっかりインプットを行い、各々考えを深める時間を持てたことで、ワークやリアルタイムの研修がより意義のあるものとなりました。

こうした研修構成については事後アンケートでも、「リアルタイム研修は限られた時間だったが、事前インプットのおかげで集中して参加することができた」「部内/外とも研修参加時間の調整がしやすかった」といったコメントも多く寄せられました。

研修の中では、管理職の間で悩みやアドバイスを交換しあうワークが特に好評でした。日常の業務では部門を超えて管理職同士が繋がることが難しいため、こういった場を設けることで近い課題や悩みを持つ者同士の繋がりを創出できたことはプラスに感じています。受講したその日から行動できる実践的な内容を学べたことで、受講者の96%から「自身のマネジメント方法の参考になった」と回答があり、大きな効果を実感しました。

––最後にDE&I推進の観点で御社が次のステップとして考えていらっしゃる点についてお聞かせください

私たちは人を大切にする会社として、DE&Iを経済合理性のためではなく、“当たり前のもの”として推進していきたいと考えています。

それはつまり、女性が…/男性育休が…といった特定の主語を置かず、自然に個人個人が活躍できる環境を作っていくことです。そのためにも、今はゆがみを是正するフェーズとして引き続き取り組みを進めることで、今後も女性活躍をはじめとしたDE&Iの推進が、会社の成長や全社員の働きやすさにも繋がることを全ての社員が共通認識として持っておきたいと思います。

 

◼︎担当コンサルタント

生川のぞみ

◼︎研修講師

喜多村佳美

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