企業で研修を企画する人事担当者やDE&I推進担当者の皆さんの中には
- 社員が研修に対して“受け身”で前向きな姿勢が見受けられない
- 内容は理解できていても職場での行動に結びついていない
- 一時的な成果や改善は見られるものの効果が継続しない
といったお悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?
社員教育や研修などによって、受講者の行動に良い変化がもたらされることを「行動変容」と言います。時間と費用をかけて研修を行うからには、受講者が学習内容を理解して一時的な満足感を得るだけでなく、行動パターンを変えたり新しい習慣を身につける「行動変容」を導くことが大切です。しかし研修によって「行動変容」を実現するのは簡単なことではありません。なぜなら「行動変容」には5つのステージと2つのバイアスが存在しているからです。まずは「行動変容」における5つのステージについてお伝えします。
「行動変容」における5つのステージ
「行動変容」には「無関心期」、「関心期」、「準備期」、「実行期」、「維持期」という5つのステージが存在します。それぞれの特徴は以下のとおりです。
●無関心期
・6ヶ月以内に行動を変えようと思っていない
・課題が明確ではなく行動を変える必要性を認識していない
・現在の行動を続けることのデメリットを認識できていない
●関心期
6ヶ月以内に行動を変えようと思っている
行動を変容させることに関心がある
行動することのメリットとデメリットを検討している
●準備期
1ヶ月以内に行動を変えようと思っている
課題が明確でどのような行動を取れば良いのか理解している
行動意欲が高まっている
●実行期
行動を変えて6ヶ月未満である
新しい行動に変えて挑戦している
行動を継続する自信がなかったり効果に対する疑念は残っている
●維持期
行動を変えて6ヶ月以上である
行動変容が継続し習慣化している
行動することで起きた良い変化を実感している
このステージは一方的に進むものではなく、各ステージを行ったり来たりしながら最終的に「維持期」へと到達します。一定期間トライアンドエラーを繰り返し、新しい行動や習慣を身につけていくというイメージです。
「行動変容」を阻害する2つのバイアス
「行動変容」を阻害するのが「現状バイアス」と「同調性バイアス」という2つのバイアスです。
●現状バイアス
新しい行動や環境の変化を避け、現在の状況を維持しようとする傾向。これまで得てきた安全や安心感が、無意識的に「今のまま」を維持しようとしてしまう。また、現状バイアスは、自分の信念や価値観に基づいて情報を取捨選択する「選択的注意」を引き起こし、「行動変容」を促す情報や体験を阻害してしまう可能性がある。
●同調性バイアス
所属する組織の価値観や信念に併せて、考え方や行動を調整しようとする傾向。周囲からの支持が得られなければ、同調性バイアスによって「行動変容」を起こすことが難しくなってしまう。また、同調性バイアスも現状バイアスと同じく情報の取捨選択に影響を与え、新しい情報や意見が組織の考え方に反する場合は、その情報をシャットダウンしてしまう可能性がある。
つまり研修によって「行動変容」を実現するためには、5つのステージに合わせた働きかけと、2つのバイアスを解消する対策が必要となるのです。
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スリールが提供する研修のポイント
弊社は13年以上に渡って女性活躍・DE&Iの現場で伴走し続けてきた経験を活かし、「意識変容」のみならず、「行動変容」、「組織変容」を生み出す研修をご提供しています。2021年に行ったアンケートでは、受講者の94.6%から「研修後、行動してみようと思った」という回答が得られています。ではなぜ弊社の研修であれば、「行動変容」や「組織変容」も導くことができるのでしょうか。それは3つのポイントによって、5つのステージに必要な働きかけと2つのバイアスへの対策が取られているからです。それではこの3つのポイントについて詳しくお伝えします。
ポイント① 仕事・プライベート・周囲との関係性や背景までを熟知した上で設計されたプログラム内容
- 「キャリア」「プライベート」「周囲との関係性」という異なる領域の物事を全て同時に考えようとしてしまう
- 物事の先読みをしたり「120%完璧にやらなくては」という思いから焦りが生じやすい
- 現状を整理して伝えたり交渉することが苦手
そしてこの傾向が1人で悩みを抱え込み、悩みをより複雑化してしまうという事態を招きます。そこで弊社の研修※では、漠然とした不安を「キャリア」「プライベート」「周囲との関係性」の三つの軸で悩みを整理する・分類して考えることを学ぶワークなども取り入れていれながら当事者である女性社員の行動変容を促します。※研修プログラムによります
◎「行動変容」に効くポイント
「無関心期」、「関心期」にいる受講者が抱えている漠然とした不安や悩みを解消するだけでなく、自分の考え方のクセや思い込みに気付くことで課題が明確になり、課題解決に向けた行動意欲を起こすことができます。
ポイント② 「体験」を通した学習内容理解とつながりづくり
弊社の研修では様々な「体験」をすることで学習内容を深く理解し、参加者同士のつながりを生み出すことができます。例えば、復職前後社員向けの研修では、上司と部下がペアを組み、それぞれ立場を入れ替えて評価面談を行う「他者理解ワーク」を実施。このワークでは自分と異なる立場を「体験」することで、相手の気持ちを知り自分の思い込みを外すことができます。一方的な講義や座学ではなく、他者と向き合い協力して行うワークだからこそ、参加者同士の会話や交流を生み出すことも可能です。実際に受講した復職者からは、「特に復職後は自分の想いを伝えることに遠慮がちであったが、なりたい自分になるために何をしていくべきか考えることができた」、上司からは、「良かれと思った復職社員への配慮が、”君には期待していない”といったメッセージと受け取られてしまっていたのだと気付けた」といった感想が寄せられています。
◎「行動変容」に効くポイント
「準備期」、「実行期」にいる受講者が、実際に体験や経験を通すことで、自身で課題解決方法を見出すことができます。その方法が上手くいかない時やモチベーションが下がってしまった時には、研修で築いた横の繋がりによって周りにアドバイスやサポートを求めることもできます。
ポイント③ 周囲への「働きかけの仕方」を習得することで「組織変容」を実現
研修で学んだことを職場で行動していくためにはマネージメントや同僚の理解・サポートが欠かせません。弊社の研修では、「周囲の理解を得て、周りを巻き込む」方法についてもお伝えしています。若手女性社員向けの「キャリアデザイン研修」では、「課題解決ワーク」を通して自分の日常における気づきが組織にとって有益であることに気付き、その気付きをポジティブに提案する方法を学びます。社員1人1人がより良い職場環境を生み出すために積極的に行動し、それを周囲が上手くサポートしていくことで「組織変容」を実現することができます。
◎「行動変容」に効くポイント
「維持期」にいる受講者が、研修で身に付けたコミュニケーション方法によって、周囲と信頼関係を築くことができていれば、安心して新しい行動や習慣を継続することができます。
また、「行動変容」を阻害する「現状バイアス」と「同調性バイアス」も、これら3つのポイントによって改善していくことが可能です。ポイント①と②によって自分の思考グセを理解し、思い込みを外す体験をしていることが「現状バイアス」を乗り越えることにつながります。また、ポイント③でお伝えしたとおり、弊社の研修は組織に対して好循環を起こすことまで考慮して設計されています。受講者だけでなく周りの意識も変化するため、「同調性バイアス」に悩まされることなく「行動変容」を実現することが可能です。
弊社がご提供するのは人事担当者やDE&I推進担当者の皆さんが頭を悩ませている課題を解決し、「行動変容」を導く研修です。ご興味のある方はぜひ詳細についてお問い合わせください。
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参照URL:
- ALL DIFFERENT株式会社.「行動変容ステージモデルを活用した効果的研修のポイント」.https://www.all-different.co.jp/column_report/column/developing-human-resources/hrd_column_24_170417.html,(参照 2024-01-10)
- 厚生労働省.「行動変容ステージモデル」.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-07-001.html,(参照 2024-01-10)
- 株式会社Schoo.「行動変容を促す働きかけのコツ|モチベーションの4分類に関して解説」.https://schoo.jp/biz/column/1103,(参照 2024-01-10)
- アルー株式会社.「行動変容を促す社員研修のポイント|ステージ理論に沿った働きかけとは」.https://service.alue.co.jp/blog/training-to-encourage-behavioral-change#64b10271a43c41644726f6ae-1689322280698,(参照 2024-01-10)