女性活躍推進コラム

えるぼし認定を取得するには?今すぐ知っておきたい企業の認定基準と2つのメリット

えるぼし認定とは何か?最低限知っておくべき基準や助成金の申請についてまとめました。えるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づき女性活躍を推進する企業におくられる認定制度です。企業は行動計画の策定などを行い一定の基準を満たすと認定されるという仕組みです。えるぼし認定企業になると、助成金を受けられるなどの大きなメリットがあると言われています。認定基準は女性管理職比率など5つの評価基準で、クリアできた評価基準の数で段階が変わります。この記事では、えるぼし認定の申請方法や申請期間、企業一覧、えるぼし認定とくるみん認定の違い、えるぼしの意味やマークまで、えるぼしに関することを企業の方に分かりやすく解説いたします。

2018.08.21sourire staff

えるぼし認定とは

えるぼし認定という言葉を聞いたことがありますか?
企業の方であれば、もしかすると一度は耳にしたことがあるかもしれません。

「えるぼし認定」とは、女性活躍を推進している企業に与えられる認定です。
すべての企業に与えられるわけではなく、基準を満たした企業のうち、より優良だと厚生労働省に認められた会社だけが受けられる認定です。

「えるぼし」はその認定マークの名称です。
2016年に女性活躍推進法により認定制度がつくられ、その認定を「えるぼし」と言います。

一般的な知名度はまだそれほど高くはありませんが、認定を受けることで、女性が活躍できる企業であることを世の中に広くアピールすることができることや、公共調達などで優遇措置を受けられるため、企業にとっては大きなメリットがあります。

そこで今回は、
・えるぼし認定のメリット
・どのような認定基準となっているのか

について、具体的な企業の事例を交えてわかりやすく解説します。

女性活躍推進法とは

少子高齢化によって人材不足が深刻化する中、女性活用は政府の重要課題であり待ったなしの状況です。そのような中2016年4月に作られた法律が、女性活躍推進法(女性の就業生活における活躍の推進に関する法律)です。

女性活躍推進法の主な目的は、ワーク・ライフ・バランスや女性の活躍しやすい環境を整えることです。

具体的には、
・採用や昇進、職場内における性別による役割分別の慣行への配慮
・仕事と子育ての両立が可能となる環境の整備
・仕事と子育ての両立に女性自身の意思が尊重されること

ということを目指して制定された法律です。

厚生労働省は女性活躍推進法の目的を次のように公表しています。

自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の個性と能力が十分に発揮されることが一層重要。このため、以下を基本原則として、女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現を図る。

これを実現させるために同法では、企業に対して女性活躍推進に関する行動計画を策定・届出・公表することが求められています行動計画の内容には、以下のような内容を盛りこむこととされています。

①自社の女性活躍の現状把握と課題の分析
②①の内容から行動計画を策定し、届出・公表、さらにそれを労働者に周知すること
③自社の女性活躍の状況の情報を公開すること

その計画を提出した企業のうち、一定基準を満たし、取組状況が優良な企業にえるぼし認定は与えられます。

 

えるぼしの意味とは

えるぼしは社会の中で活躍し、星のように輝き続ける女性というイメージから名付けられています。

えるぼしの「える」はアルファベットの「L」から来ており、Lady(女性)や、Labor(労働)、Lead(主導)などさまざまな意味が込められています。えるぼしという愛称の作成者いわく女性への「エール」という意味も込められているそうです。また、そのように活躍する女性が増えてほしいという願いから「えるぼし」という名前が付けられました。

 

えるぼし認定を取得するメリット

えるぼし認定を取得することには、2つの大きなメリットがあります。

①女性が活躍できる環境が整っていることを社内外にアピールすることで、イメージアップを図ることができる。
②公共調達や低金利融資などの助成金を得ることができる。

具体的にそれぞれどのような効果があるのかをご紹介します。

 

メリット1:企業のイメージアップ

えるぼし認定を受けると自社の商品や広告にえるぼしマークを利用することができるので、女性活躍に取り組んでいることをより効果的にアピールすることができます。

たとえば、採用活動や広報に利用すれば、女性が活躍できる会社として
求人応募数の増加や認知度向上につなげる効果が期待できます。
また、広報や商品の広告にえるぼしマークを利用すれば、企業自体のイメージアップ効果も見込まれます。

 

メリット2:助成金

えるぼし認定を受けた企業は、公共調達や低金利融資において優遇を受けることができます。

公共調達

現在各府省等では、ワーク・ライフ・バランスを推進する企業を公共調達の際に積極的に評価することを公表しています。
えるぼし認定もその尺度の一つとして利用されています。
評価落札方式や企画競争方式などの価格以外の要素が評価に加味される場合のみ、加点評価がされるというしくみです。えるぼしの段階ごとに合わせて、公共調達での加点数が変わります。

低金利融資

日本政策金融金庫の「地域活性化・雇用促進資金(企業活力強化貸付)」を利用する場合、基準金利から-0.65%の金利で融資を受けることができます公共調達のように大きなお金が動く場面や、低利融資の場面でもえるぼし認定を受けていることがプラスのはたらきをもたらします。

 

えるぼし認定の基準

えるぼし認定は、「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つの評価項目から成り立っています5項目のうち、クリアできた項目数によってえるぼし認定の段階が変わります。詳細な評価項目は以下のとおりです。

なお、認定要件は年度ごとに変更されます。申請を検討されている方は厚生労働省の女性活躍推進法特集ページを事前にご覧ください。http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

 

基準1:採用

採用の段階では、男女の採用競争倍率が同程度であることが求められています。性別によって、採用において女性が不利になることを防ぐためです。

 

基準2:継続就業

男女とも働き続けやすい環境であることも評価の対象となります。勤続年数に男女で差がある場合、出産や育児との両立が難しいことや、女性が長期的なキャリアを描きづらい環境にあるということができるからです。

以下の2つの基準によって、働き続けやすさを評価します。
・「女性労働者の平均継続勤務年数÷男性労働者の平均継続勤務年数」が雇用管理区分ごとにそれぞれ0.7以上であること。
・「10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された女性労働者の継続雇用割合」÷「10事業年度前及びその前後に採用された男性労働者の継続雇用割合」が雇用管理区分ごとにそれぞれ0.8以上であること。

これらのいずれかを満たすことが条件となります。

 

基準3:労働時間等の働き方

残業時間や休日出勤の時間数も評価の基準となります。
「労働者法定時間労働や法定休日労働時間の合計が各月ごとに全て45時間以内であること」が評価の条件です。

 

基準4:管理職比率

管理職に占める女性の割合も、女性の昇級のしやすさを測るということで評価基準に設けられています。

・管理職に占める女性労働者の割合が別に定める産業ごとの平均値以上であること
・直近3事業年度の平均した「課長級より1つ下位の職階にある女性労働者のうち課長級に昇進した女性労働者の割合」÷直近3事業年度の平均した「課長級より1つ下位の職階にある男性労働者のうち課長級に昇進した男性労働者の割合」が0.8以上であること。

上の2つのうち、いずれか1つを満たすことが基準とされています。

 

 

業種ごとの女性管理職割合(上位10業種)
出展:帝国データバンク(http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180805.pdf)

 

基準5:多様なキャリアコース

出産や育児などのライフイベントによって、働き方を変えることを選択する女性や、復職したいと願う女性など多様化する個人のキャリアに対応する、仕組みや実績があることも求められます。

具体的には以下のような条件が設けられています。

直近3事業年度に、大企業については以下の2項目以上(非正社員がいる場合は必ずAを含むこと)、中小企業は1項目以上の実績があること。

A 女性の非正社員から正社員への転換(派遣労働者の雇入れ含む)
B 女性労働者のキャリアアップに資する雇用管理区分間の転換
C 過去に在籍した女性の正社員としての再雇用
D おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用

 

取得にはどんな取組が必要か

上記のように認定基準に基づきえるぼし認定の3段階目、星3つのえるぼしマークを取得している企業では、認定基準のためにどのような取り組みがされているのでしょうか?2社を例にとってご紹介します。

SCSK株式会社

住友商事グループのシステムインテグレータ企業、SCSKでは各世代の女性社員が抱える悩みや課題に応じた研修を「女性活躍推進プログラム」として実施しています。若手社員にはライフイベントに合わせたキャリアプランを描くセミナーを実施し、出産期には復職支援セミナー、マネジメントを行う年代にはリーダーシップ研修などを提供することで長期的なキャリア形成を支援しています。
参照元:https://www.scsk.jp/

 

株式会社セブン&アイホールディングス

セブン&アイホールディングスは、管理職を占める女性の割合が30%以上を占め、女性が活躍する企業です。セブン&アイホールディングスでは、女性のライフイベントを考慮し、新入社員を3年で管理職登用することを目標に教育プログラムを実施しています。さらに、女性社員同士での情報共有を促す意見交換会の実施や、独自の育児・介護両立支援制度「リ・チャレンジプラン」を行っています。ライフイベントを考慮し、若手から中堅、管理職層まで定期的に研修や意見交換をする場を持つことが、就労継続への不安を取り払い、意欲を持って働く女性を増やすのかもしれません。
参照元:https://www.7andi.com/

 

認定マークについて


えるぼしマークでは、5つの評価基準をもとに、その基準を満たす数によって3段階にマークが分かれています。マークの上部分につく星の数と色で認定段階が表されています。

1段階目
5つの評価基準のうち1つ、または2つを満たしている場合。

2段階目
5つの評価基準のうち3つ、または4つを満たしている場合。

3段階目
5つの評価基準すべてを満たしている場合。

すべての段階において、すでに要件を満たしている項目は、実績値を厚生労働省のウェブサイトに毎年公表することが義務づけられています。反対に、満たしていない項目は、事業主行動計画策定指針にて、定められた当該基準に関する取組を行うことが求められます。また、実施状況を厚生労働省のウェブサイトに公表するとともに、2年以上連続してその実績が改善していることが必要とされています。

つまり、えるぼし認定を受けた企業は、自社の取り組みの実績を公表し、改善が必要な部分は、改善のための取り組みを行うことが求められます。

 

届出申請はどのように行うか

申請を希望する場合は、以下のような流れで申請を行うことができます。

STEP1:認定要件を満たすか確かめる
認定要件は年度ごとに変わっていきます。申請をする年の認定要件を確認し、自社の取り組みが要件を満たすかを確かめましょう。

STEP2:女性の活躍推進企業データベースに自社の実績を公表する
厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」に自社の実績を公表します。認定要件の項目のうち、満たしているものはその実績をデータベースに公表し、満たしていないものは、取り組みの実施状況をデータベースに公表します。
http://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/

STEP3:認定申請書の記載
認定申請書を記入します。詳細な記載方法はこちらからご覧いただけます
http://www.josei-suishin.mhlw.go.jp/Portals/0/pdf/action/eruboshi/nintei_syutoku_201708.pdf

STEP4:実績を明らかにする書類の準備
認定要件に関する実績を証明するための用紙が、認定申請書とともに必要になります。書類の様式は厚生労働省の女性活躍推進法特集ページから入手いただけます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

そのほか、一般事業主行動計画の策定・認定等に関するお問合せは、都道府県ごとに受け付けています。詳細は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ問い合わせることで最新の状況が確認できます。

 

取り消しになってしまうことはあるのか

一度認定されたえるぼしは取り消されることがあるのでしょうか?

えるぼしマークは、「女性活躍推進法」に基づく認定制度です。そのため、女性活躍推進法に定められたものに違反した場合や、基準に満たなくなってしまった場合にはえるぼし認定が取り消される場合があります

1.認定一般事業主が女性活躍推進法第9条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき
2.女性活躍推進法又は女性活躍推進法に基づく命令に違反したとき
3.不正の手段により認定を受けたとき

以上の3点が取り消しの対象になる項目です。一度認定されたとしても取消になってしまう場合があるので注意が必要です。

 

くるみんマークとの違い

よく企業の方から聞かれるのが「えるぼしとくるみんはどう違うのか」という声。

くるみんマークとは、「子育てサポート企業」と認められた企業に与えられるものです。こちらもえるぼし同様、厚生労働大臣から付与されます。くるみんマークは「次世代育成支援対策推進法」で定められた行動計画の策定を行い、一定の基準を満たした企業が認定を受けることができます。

くるみんマークとえるぼしマークはよく混同されがちですが、
採用や昇給を含めた女性が働きやすい環境づくり」によって認定されるのがえるぼしマークで、
男女問わず働きながら子育てしやすい環境づくり」によって認定されるのがくるみんマークです。

似ているようではありますが、目的や評価基準がまったく異なると言えるでしょう。

認定企業の企業一覧や認定状況

現在認定を受けている企業は全国で579社あります(2018年3月現在)

うち、最高ランクである3段階目のえるぼし認定を受けているのは、大企業、中小企業合わせて393社です。

2016年の施行年にはえるぼし認定が46社であったことからも、わずか2年で多くの企業から注目を集めていることがわかります。

 

発表による企業一覧

ソニー株式会社
カルビー株式会社
富士通株式会社
古河電気工業株式会社
株式会社ベネッセコーポレーション
サントリーホールディングス株式会社
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
など

認定企業の一覧はこちらからご覧いただけます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000129028.html

 

まとめ

えるぼし認定について、具体的な制度や認定の基準についてお伝えしました。

最後にもう一度、えるぼしのメリットについて振り返りましょう。

①えるぼしとは、女性活躍推進法に基づいて、「女性が働きやすい環境づくり」の取組を行い、その取組が認定要件を満たしている企業に与えられる認定マークのこと。

②えるぼし認定にはつぎのようなメリットがある
・女性が活躍できる環境が整っていることを社内外に客観的にアピールすることで、イメージアップを図ることができる
・公共調達や低利融資などの助成金を得ることができる

③えるぼし認定企業では、世代やライフイベントに応じたキャリアプランの形成を支援するプログラムに取り組まれている

「女性が働きやすい会社」のお墨付きがもらえるえるぼし認定。

社内外でのイメージアップの効果や、公共調達や定理融資などの金銭面でのメリットなど、女性が働きやすい環境が整うだけでなく、そのほかにも多くの利点がある認定制度であるえるぼし認定。まだ取得されていない企業様は、取得を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

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