女性活躍推進コラム
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【女性の脳内構造その2】なぜ女性はリーダーに手を挙げないのか?

女性活躍推進の施策や制度や施策はあるのに、なぜか女性たちの反応はイマイチ。「女性たちは活躍なんてしたくないんじゃないか?」と疑問視する声も上がり、会社側が頭を抱えている状況だと相談がよく来ます。女性の思考特性を紐解いた「脳内構造」について海外の先行研究と照らし合わせてご紹介する4回連続の記事です。

2018.09.04sourire staff

第2回は、「1.キャリア」にまつわる先行研究から解説をしていきます。

女性の脳内構造

1.キャリア

2.プライベート(結婚・子育てなど)

3.周囲との関係(家族・職場など) 

前回の脳内構造の解説では、上記の「キャリア・プライベート・周囲との関係」という3つの軸を同時に考えてしまう構造についてお伝えしました。また、女性は完璧に「120%」でやろうと考える傾向があり、自分が完璧にできない際にはリーダー職を打診されても断念してしまうという事例もご紹介しました。
▼アーカイブ:【女性の脳内構造その1】2人に1人が転職・離職を考えるワケ

 

「女性よりも男性の方が出世欲が高い」というような研究は、以前から多く出されています。しかしながら今回は、その意識が周囲の環境が影響しているという新しい研究をご紹介していきます。
※本記事で書いている内容は、あくまで傾向値であり、全ての女性に該当するものではありません。「全ての人は多様である」というダイバーシティの視点を持ちながらも、課題の解消の為に分かり易く伝えている点をご了承ください。

 

女性は男性よりも厳しく自己評価を出す

アメリカで行われた研究では、女性が男性より劣るというステレオタイプがある仕事の場合、女性は男性に比べて自分の能力をより厳しく評価したほか、自身に課すレベルをより高く、厳しくする傾向があることが明らかになっています。

(Shelley Correll, “Constraints into Preferences: Gender, Status, and Emerging Career Aspirations,” American Sociological Review Vol 69, Issue 1, 2004)。

つまり男性と女性の能力が一緒の場合でも、女性の方が自分の評価を低く提示してしまうということです。特に重要な点は、そのような行動は「女性が男性より劣るというステレオタイプがある仕事」の時に強く表出し、またそのような仕事に対して女性の関心は低下するということです。

 

企業や上司が認識していくべきポイントは、「女性は男性よりも自己評価を低く出す」点の理解です。その為、第1回の記事で登場したAさんのように、リーダー職を打診した際、「自分には無理です」という返事があった際に、そのまま鵜呑みにしないように注意してください。自分自身の能力を過小評価している可能性を考慮し、「なぜそう思うのか?」をヒアリングしながら、今までの仕事への「評価」を伝えていきます。その上で、この先どうフォローしていくのか、いつのタイミングで相談できるのかなどの「見通し」を立てていくと、先読みをする女性達も安心して打診を受け、しっかりと仕事を進めてくれます。

このように、男性達よりも最初の一歩のフォローが必要であることを認識することが必要です。面倒臭いかもしれませんが、逆に男性の場合は自分の能力を過大評価している場合、その後のフォローが大変になります。先と後のどちらにフォローが必要かの違いだと思いましょう。

また注意をしていかなければいけないのが、管理職は女性のやる仕事ではなく”男性の役割”というステレオタイプを植え付けている職場か?という点です。その中で女性が管理職に登用されても、同様の男性に比べて、彼女たちは自分たちにより高く厳しい基準を求めてしまい、仕事に対する関心は減少していきます。

研究論文では、特に管理職に男性が多い職場では、経営層や上司が「仕事の能力には『ジェンダーは関係ない』」と明言することが重要と明示されています。この点を押さえた上で、女性が管理職に上がる場合には「どうフォローしていこうと考えているのか」などの見通しも伝えて、安心させてください。また弊社のコンサルティングの事例では、リーダーなどに昇進をおこなう場合は、1人ではなく複数人で登用し、お互いに切磋琢磨していける環境を作ることが、登用後の継続に繋がっている傾向が明らかになっています。

 

子どもがいるキャリア女性への冷たい目線

また、リーダー・管理職を目指さない理由として、周囲からの見られ方を気にする場合も多くあります。

アメリカで行われた研究では、キャリアにおいて成功している女性でも、子どもがいる場合、“母親ペナルティ”が課されていることが判明しました。(Stephen Bernard and Shelley J. Correll, “Normative Discrimination and the Motherhood Penalty,” Gender & Society Vol 24, Issue 5, 2010)。

“母親ペナルティ”… 嫌な言葉ですね。男性の場合、子どもがいながら働いていてもその人への周囲からの評価はむしろプラスになります。しかしながら、子どもを持つ女性は、採用や昇進において、「思いやりがあって好意的だが、能力が足りない」、もしくは「有能だが、思いやりがなく、対人関係が厳しい」と、同様の能力の子どもを持つ男性に比べて、ジェンダー・ステレオタイプによる差別的な評価を受けやすいことが明らかになりました。

要は、「優しいワーキングマザーのマネージャーだけど、能力が足りない」「有能なワーキングマザーのマネージャーだけど、配慮がない」ということです。能力の有無は性別ではなく、その人個人の力であるにも関わらず、「子どもがいる」ことが女性にとっては不利に働く傾向があるのです。

企業や上司が認識していくべきポイントは、若手の女性社員は、そのような職場の”空気”を感じ取り、「自分がそう思われるのかもしれない」と思い込んでしまうことで、キャリアを頑張ることに対してモチベーションが下がってしまうということです。女性の新入社員はこのような状況を見ながら、感じながら、働いていることを、「現象」として理解しなければいけません。

このような環境を打破していく為には、多様なロールモデルの提示と、それを受容する意識醸成が必要です。多様なマネジメントスタイルで働くリーダーの形を提示し、リアルに出会う場を設けます。

男性にも多くのタイプのマネージャーがいて、それが受け入れられていますよね。また、自分がマネージャーになって悩んだ時には、すぐ話を聴ける環境に先輩がいると、困難を乗り越えられますよね。そのような環境を、女性にも同様に創り上げていくことが重要です。ただ、この環境はすぐに完成する訳ではありません。「ロールモデル冊子を作成した」「座談会を開いた」という一過性の取り組みではなく、3年以上かかる長期的な取り組みであることを認識することも必要です。

 

ポイントまとめ

女性は男性よりも厳しく自己評価を出す

・自分自身の能力を過小評価している可能性を考慮し、「なぜそう思うのか?」をヒアリングしながら、今までの仕事への実績や評価を伝えていく。

・経営層や上司が仕事の能力に「ジェンダーは関係ない」と明言し、フォローをしていく。

 

子どもがいるキャリア女性への冷たい目線

・多様なロールモデルの提示と、それを受容する意識の醸成が必要。

 

女性のキャリアに対する不安や、やる気の低下は、上記の研究でも示されているように、「個人の意識」だけではなく「周囲の環境」が影響しているというを理解することから始めましょう。

特に女性のキャリア形成や、女性の管理職意識の醸成には、以下の施策が有効です。

御社の施策の何がズレているのか気になった方は、是非お問い合わせください。

次回のテーマは「プライベートの悩みは果たして、個人の問題なのか?」。
プライベートにまつわる先行事例から解説をしていきます。

是非、楽しみにしていてください。

 

 


スリールでは、「子育てをしながらキャリアアップできる人材と組織の育成」とテーマに、女性の心理を徹底的に分析した講義や、擬似体験型ワークを取り入れた実践的な研修を提供しております。
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