[インタビュー]企業

パーソルキャリア株式会社: 風土改革のポイントは“いかに社内が一枚岩になって取り組めるか?”

公開日:2022.09.09更新日:2023.12.25staff

育児・介護休業法の改正により、いよいよ本格施行なる「男性育休」の義務化に先立ち、『育ボスブートキャンプ』オンライン版「育ボスブートキャンプオンライン版(パーソル様の名称「ワーパパ体験体験プロジェクト」)」を導入いただいたパーソルキャリア株式会社様(以下パーソルキャリア)。
本プログラムを主導して社内を取りまとめられた広報部 中西真弓さんにお話しを伺いました。

インタビューにお答えくださったパーソルキャリア 広報部:中西さん

育児休業を取得する男性社員も年々増加しているというパーソルキャリア。
次は、その一歩先の“多様な人材が活躍できる風土”を目指し、まずは多様な状況の中でも育休中社員の現状を知り、働き方をサポートできるマネジメントが必要、という経営層の想いから、弊社の体験型研修『育ボスブートキャンプ』をベースとしたプロジェクト「男性育休推進 ワーパパ体験プロジェクト」を行いました。

 

 

 

–今回、プロジェクトを推進する前に社内にあった課題を教えてください。

社内で男性社員の育休取得をさらに推し進めていくにあたり、男性育休に関する意識調査を行った結果、将来育休を取得したいと回答した男性は80.0%だったのに対して、育休を取得したことがある人は15.4%と希望と実情の間に大きな差が生まれていることが分かりました。
また、育休を取得しなかった理由としては、「男性が育児休暇を取得するという考えがなかった」が最も多く、他に「業務状況的に難しい」といった点が多く挙がっています。

出典:パーソルキャリア「男性育休に関する意識調査第1弾」

これらの結果からフォーカスすべき課題を細分化し、まずは取得対象者が抱える“仕事から離れる不安”“収入の不安”を労務の観点からフォローすべく、制度の周知強化や育休ガイドの作成などを行った他、取得しない理由の1位でもある、男性が育休を取得するということが頭に浮かばない状態を改善するにはどうすればよいか。それには、育休を取得しないことによって女性に寄ってしまう家事育児の状況を、強烈な体験とともに知ってもらうことが重要なのではないかと考え、“育休取得に対する周囲の理解や働く環境”の課題にフォーカスし、管理職の働き方やマネジメントの在り方に変化をもたらすことのできる施策を検討しました。
「男性育休推進 ワーパパ体験プロジェクト」では、管理職が平日17時に退社する時間制約のある働き方や、育児中の家庭のリアルを体験するオンラインワンオペ育児体験、そして育休取得の経験がある男性社員など様々な状況下にある社員の声を聞くワーパパ・ワーママ社員実態ヒアリングを行いました。これらの体験により、管理職自身が組織全体での働き方改善や仕事の仕組化の必要性を理解し、今後の自身のマネジメントを見直す機会にすることを目指しました。そして、「ライフの中でキャリアを形成していく」必要性を体感することで、社内一丸となり男女問わず育休が取得しやすい風土作りを加速させています。

—男性育休取得推進の起爆剤ともなる研修になぜスリールを選ばれたのでしょうか。

スリールは既に『育ボスブートキャンプ』として、オンライン育児をベースとしたプログラムの実績があったことや、企業のダイバーシティ推進に関して多くの知見や実績があったことが決め手となりました。

育ボスブートキャンプとは?

「育ボスブートキャンプ」とは、管理職が時間制約のある育児中社員と同様に、時短で仕事を切り上げ、子どものお迎えから食事づくり、子どもとの団らん等一連の育児を一定の期間実践することを通して、多様な人材が活躍するために必要なマネジメントや働き方を考え、組織の在り方を振り返る「育児体験」の他、多様な状況下の社員の声を聞くことで自分とは違う視点を知る「ダイバーシティインタビュー」を盛り込んだ体験型の研修プログラムです。
本研修プログラムはリアルでの体験型ゆえに、コロナ禍での対応が難しく、また、実施は首都圏の企業に限られていましたが、今回オンラインでの提供が可能となったことで、日本全国どこの地域でも利用いただけるようになりました。
オンライン版でのサービス詳細はこちらをご覧ください。

—ありがとうございます。プロジェクト参加者に役員まで巻き込めた秘訣はなんだったのでしょうか?

そもそも社内の風土醸成の一つの取り組みとして、現場のマネジャー層を巻き込む必要性は感じていました。(※)更には、組織のトップでもある経営層の意識が変えていく必要性をも感じていたので、元々男性の育休取得や管理職の働き方やマネジメントに課題意識があり、実際にご自身も育休の取得を検討していた経営層キーパーソンに相談、取り組みの賛同を得るところからスタートしました。

会社としてやるべきと意思決定された施策でも、社内全体を巻き込むのには相当の労力と時間を要します。施策を主導するのは人事部門などであったとしても、社内全ての層を巻き込むには経営と現場を紐づける経営層の力が必要です。

施策を推進する各部門、そして経営層が“いかに一枚岩となって取り組めるか”が社内の風土醸成には必要だと改めて感じました。本プロジェクトを進めていく中でも、特にオンライン育児と多様な社員インタビューを通し、よりマネジメント層の理解と協力が得られ、プロジェクトが進むにつれて参加者の意識も変わり、強固な一枚岩になっていくことを実感しました。

※ 経済産業省が策定した「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」では、組織の風土を改革していくためには、「経営層」、「現場」、「外部コミュニケーション」の3つのポイントが繋がる必要がある旨提唱されています。(下図参照)

1.経営陣の取り組み
具体的には、企業ビジョン・目標の明確化・能力を発揮・評価できる仕組みづくり・現場と経営をつなげる推進体制の構築
2.現場の取り組み
具体的には、管理職パイプラインを意識し、段階ごとに継続して施策を行う・マネジャー層のアンコンシャスバイアス払拭・働きやすい環境の整備
3.社内外広報に注力する
社内外広報を強め、社員に浸透させる

「育ボスブートキャンプ」は組織の風土変革に必要なこれら3つのポイントにアプローチできる研修プログラムとして、経営層から現場まで一体となって行うことで、社内に意識を啓発していくことができると共に、社外に向けてのメッセージ発信にも活用できるとして、採用PRの一環としての導入検討も増えています。

引用:経済産業省, ダイバーシティ 2.0 行動ガイドライン, 平成29年3月発行, 平成30年6月改訂, p4

—プロジェクト体験後の変化はありましたか?

プロジェクト参加者は、業務の生産性を上げるために隙間タスクリストを作ったり、17時以降の打ち合わせの常設をやめたりと現場レベルでの変化は起きています。社内全体の風土変化にまでは至っていませんが、プロジェクト後に開催し、プロジェクト参加者が登壇した社内ウェビナーでは、体験者としてリアルな感想や想い(下記参照)が発信されたことで、社員の理解促進や意識変革には確実に繋がったと感じています。

「業務が溢れている状態であることに気付かされ、構造的に変える必要性を感じた。」
「時短勤務のリアルを何もわかっていなかった。心理的な部分での理解や共感が出来ていなかったことを気付かされた。」
「自分自身が持っているバイアス、個々人をフラットに見る必要性を感じた。」
「同じ状況下でも感じていることは人それぞれだということが分かったので、今後は遠慮しすぎずに意図的に部下の状況を聞いて、理解していきたい。」

この他にも、プログラムを通し、業務効率化スキルや​多様なメンバーとの対峙力や理解力が高まったなど、​「このプロジェクトで得られるものは、​マネジメントとして一生の役にたつものだ」という声も挙がりました。

前述した、ご自身も育休の取得を検討されていた経営層キーパーソンは、プロジェクト後に実際1か月の育休を取得し、4人目の出産にして初めて新生児期の生活を知ることができ、本プロジェクトで予習をした育児経験を活かして貢献することができた!と話しています。

—今後取り組んでいきたい取り組みがありましたら教えてください。

昨年秋に、会社横断組織としてダイバーシティ推進部が組成され、今後はこれまで以上にスピーディーに各種施策の推進ができる体制になりました。定期的な制度周知を検討するのと並行し、本プログラム実施の対象範囲を拡大し、今後も継続して展開していきたいと思います。

本プロジェクトを通し、マネジメント層の意識変化と実際の行動変化が見られたという成果。本質的な課題がどこにあるのか、経営陣の実態理解にもつながっているのではないかと考えています。

—ありがとうございました。

 

オンラインワンオペ育児を通し「仕事と家庭の両立のリアル」を知り、17時退社やダイバーシティインタビューを通し「時間制約のある働き方」「多様な状況下のメンバーの想い」を知る。
これらの体験と、体験者の発信が社内での男性育休取得を促す他、働き方・マネジメントを見直すきっかけとなった本プロジェクトは、朝日新聞デジタルwithnews日本経済新聞デジタルなど数多くのメディアに取り上げられ、多くの反響をいただきました。

いよいよ本格施行となる男性育休(産後パパ育休)。
“多様な人材が活躍できる風土”を目指した時、男性育休は一つの通過点にすぎません。育休を取得するメンバーがいてもフォローしあえる、生産性の高い風土作りの先にある“多様な人材が活躍できる”強靭な組織作りに、スリールはこれからも伴走していきます。


スリールでは、「子育てをしながらキャリアアップできる人材と組織の育成」とテーマに、女性の心理を徹底的に分析した講義や、擬似体験型ワークを取り入れた実践的な研修を提供しております。ご興味のある方は、以下までご連絡ください。

◼︎女性活躍推進コンサルティング・研修

 

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