人材不足で悩む企業
「せっかくお金をかけて採用したのに、アッサリ辞められてしまった。」
最近、このような人事部の嘆きの声をよく聞く。
人材不足、売り手市場である社会の流れに、頭を悩ませているのだ。
2018年卒業の新卒採用充足率は83.0%。「100名採用したくても、83名しか採れない」というのが、現状だ。今まさに行われている内定式の時期になっても、「採用を継続している」と回答した企業は、51.7%にものぼる(2018年卒マイナビ企業新卒内定状況調査)。さらに、企業の多くは「内定辞退」という悩みを抱えている。半数以上が、内定辞退率が「3割以上あった」としている(2017年9月-10月の調査時)。
このような状況の中、1年もの月日をかけて採用を行い、ようやく獲得した新入社員にも関わらず、入社して数ヶ月で辞めてしまうというのは、悲劇でしかない。
「なぜこんなに手をかけたのに辞めてしまうのか」
「昔と何が変わってしまったのか」
「何をすれば良いのか」
今の学生の働き方への“本音”とは?
スリールでは8年間に渡り、800名以上の学生に対してライフキャリア教育事業(仕事と子育ての両立を体験するワーク&ライフ・インターン)を展開。また大学の講演を毎月実施することで、1万人以上の学生・若手と関わってきた。
今回は3人の学生と座談会形式で、「働き方の考え方」について、“本音トーク”を行った。
世間一般では、“エリート”ともいわれる高学歴の3人が明らかにしたこととは?
座談会 参加者早稲田大学修士1年 Iさん(22:男性) 慶応義塾大学4年 Nさん(22:女性) 中央大学3年 Sさん(21:女性) |
働くということに対して、どう考えている?
Iさん:自分の知り合いをみていると、楽しく働いている人と凄く辛いけど働いている人、その2種類がいると思う。社会人になると、やはり仕事は総じて時間が多く取られるし、メインになるけど、辛い部分は結構多そう。何となくネガティブなイメージはある。理不尽な人間関係や長時間労働は、周りからの話でも、特に気になる。でも、自分としては、働くことを通して、ある程度社会に還元する、社会の穴を埋めることが大切だと思う。
Nさん:私は、生きていくために必要なことなのかなぁと。今の段階では、何かすごくやりたいことがあって、それを仕事にしたいということではない。仕事だけのために生きているのは、違うのかな。生活の中で、色々と両立できる働き方が理想。
仕事を選ぶときの重要ポイントは?
Sさん:安定した場所でしっかりと働きたい。私のイメージする場所は、大企業とかかな。今の世の中では、フリーランスや自分で企業をして、活躍している人多い。でも自分は、そこまでやりたいこともないし、やっていけるという自信もないので、安定していたところで、“ゆるく”活躍したい。
Iさん:仕事で何か得る、というのは今はイメージができていない。就職先を決めるうえでの、判断基準は人と環境。能力主義で殺伐している人間関係よりは、自分の気質に合って、人間関係も風通しがいいのが理想。周りをみていても、競争社会でバリバリ働きたい人:“ゆるく”働きたい人の割合は2:8。私も後者で、自分の時間をとれる働き方をしたい。
Nさん:共感!バリキャリ思考と“ゆるく”働きたい思考は、私の周りも2:8。女性だけに限ると、1:9かもしれない。
「ゆるく」働くってどういう意味?やる気がないの?
Nさん:あ、“ゆるく”働くというのは、サボるということではなく、しっかりと働くけど、プライベートの時間も確保できる。結婚、出産をしても復帰できるような環境。転職してどんどんスキルアップしていくのではなく、最初に就職したところで、ずっと働きたいということ。やっぱりブラック企業とか、よく話題になっていたので、そこまでして働くのではなく、“ゆるく”人間らしく生活したい。
Iさん:そうそう。基本的に定時で帰れて、福利厚生に含まれている有給などをしっかりと消化できるとか。もちろん、多少の残業はどこもあると思っているけど、24時間働いてがっつり稼ぐ、というのは自分には合わない。大学時代の友人と会う時間とか、趣味を続ける時間はほしい。そういう意味で、“ゆるく”働きたい。
大企業=安定、「ゆるく」働けるのか?
Sさん:今の時代、大企業だっていつ潰れるかわからないということは、私だってわかっている。でも、自分や周りをみていると、自ら道を切り開いて失敗することへの不安はかなり強いと思う。だから、就職活動ではなるべく多くの情報を自分なりに集めて処理して、よりベストな安定を求めている感じ。ゆるく、安定した働き方をしたい。
Nさん:楽しそうな仕事ってそもそも、よくわからない。私は就職活動はもう終わったけど、就活中、就職先に一番求めるものとして、やりがいや働くことの楽しさ、という話は周りからもあまり聞かなかった。長く安定した働き方がいかにできるか、ということが重要。そのためには、やはり誰もが聞いたところのある有名な企業とか大きなところの方が、制度なんかも充実しているんじゃないかなぁと。
「ゆるく」働きたい ≠ やる気がない日本では、長時間労働などの問題があまりにも普通にあるため、今の学生の世代も、それが働くことを考えるうえでのスタートラインになってしまっている。「ゆるく」働きたいとは、一生懸命、長期的に人間らしく働きたいという、実はごく普通の考えである。 |
従来の働き方への考えから変化してきている世代だからこそ、優秀な人材を確保するため、企業側も就職活動に戦略的に取り組む必要があります。
次回は、彼らの座談会の続編として、就職活動をどう捉えているか、また、就活において、好感を持てる企業とそうでない企業の違いについての”本音”を紹介します。
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