女性管理職が増えない・・・
働き方改革などで社内が変わってきているが、管理職にどのような教育を行えばよいのか困っている・・・
というお悩みはありませんか?
実際に、管理職や女性に向けた研修を行なっている中でも、このようなお客様からの声を最近よく耳にします。企業の8割以上で導入されている管理職研修。しかし、従来型の管理職研修ではうまくいかなくなってきた、と相談を受けるケースも多々耳にします。実は、管理職研修の内容も、年々変化しています。特に最近は、女性活躍・働き方改革の流れで、部下の働き方や生き方までマネジメントする管理職の存在の重要性があきらかになっています。
この記事ではそのような人事部門の方の疑問に応えるために、
・近年、求められている管理職の役割とは?
・管理職研修の課題
・管理職研修を成功させるためには?
という点ついて、女性管理職研修の専門家の視点でわかりやすくご紹介します。
管理職研修とは
まずは、管理職研修とは何かをあらためて振り返ります。
管理職研修とは、企業において管理職が部下と共に業務を行うために必要となる知識・役割を身につけ現場で活用するための研修として導入されるものです。社内講師が行うことも、外部講師が行うこともありますが、役割は同じです。管理職の役割は日本経団連「ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応」(2012年)によると主に以下4つに分かれており、年々高度化、複雑化しています。
管理職の役割(1) 情報の分析・伝達
・社内外の情報収集および周辺状況の分析
・必要な情報の経営トップへの伝達
・経営トップのメッセージを咀嚼し現場に浸透
・自らのチームが目指すべき方向性の明示
・関係部署との折衝 および情報共有
・社内外からの要請や 問い合わせへの対応管理職の役割(2) 業務の遂行
・日常業務の処理や課題解決
・新規事業やプロジェクトの推進、イノベーションの創出
・経営のグローバル化への対応
・海外のパート ナー企業との綿密な連携 等管理職の役割(3) 対人関係のマネジメント
・部下一人ひとりの性格や長所・短所を踏まえた指導育成
・仕事に対する動機づけ
・部下が協働し合うような職場づくり
・人間関係上のトラブルの早期発見と早期解決
・社外の関係者との連携強化や人脈づくり管理職の役割(4) コンプライアンス対策
・個人情報の適切な管理
・内部統制や機密情報の漏えい対策
・適切な労働時間管理
・労働関連法規の遵守
・業務に関わる法律や実務上の留意点の理解促進 および法制度改正などを見据えた事前準備
部下をまとめ上げ、経営陣の声を一人ひとりの社員に届けていく管理職。このように、管理職に求められる役割や能力は非常に多岐に渡っています。
管理職研修の課題
では、管理職への教育の場として重要な管理職研修ですが、一体どのようなことが企業で課題になっているのでしょうか。
現在、企業の方からよく耳にする管理職育成の課題としては、「部下のマネジメント」と「女性管理職の育成」という2点があります。
企業の課題(1) 「部下のマネジメント」の重要性が上がってきている
先ほど挙げた管理職の4つの役割の中でも、特に重要なのが対人関係のマネジメントです。「ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応」(2012年)のアンケートによると、「部下のキャリア・将来を見据えて必要な指導・育成をする」の重要度が上がってきています。
「部下のキャリア・将来を見据えて必要な指導・育成をする」は、「経営環境の変化を踏まえた新しい事業や仕組みを自ら企画立案する」に次いで重要であるという結果が出ていることからも、マネージャーに求められる役割の中でも、対人関係のマネジメントが大切であることがわかります。
近年の経営環境の変化などを受けて、部下の状況の理解を深め、育成支援することの重要度が高まってきたと言えます。
企業の課題(2) 女性管理職の育成が急務になってきている
また、企業の管理職育成の中でも、女性管理職の育成が注目されています。その背景としては、女性活躍推進法の成立があげられます。政府では2020年までに女性管理職(課長職以上)の比率を30%にするという目標を掲げており、企業では女性管理職比率を上げることが急務となっています。
女性活躍推進法の特徴として、「女性労働者の採用や昇進などの機会を促進すること」を求めており、従業員301人以上の企業は実施義務、300人以下の企業は分析」「計画」「結果の公表」を行う努力義務があるため、避けては通れない道となっています。
しかし、【女性の脳内構造その2】なぜ女性はリーダーに手を挙げないのか?でも解説した通り、女性には以下のような特徴があります。
・女性は男性よりも厳しく自己評価を出す
・子どもがいるキャリア女性への冷たい目線
・女性は完璧に「120%」でやろうと考える傾向がある
また、女性管理職が増えない理由としてよく言われるのが「女性自身がそもそも管理職になりたくないのではないか」という声ですが、実はこれは正確なものではありません。「求められれば管理職になりたい」という女性は、66.5%(両立不安白書)にも上り、女性をやる気にさせる、女性の特徴にあわせた管理職育成を行うことで、結果として女性管理職を増やすことにつながります。
そのため、男女同一的な管理職研修を行うよりも、女性の特徴に合わせた研修を行う必要性があります。
女性管理職を育成する企業のメリット
ただ、女性管理職の育成は数値目標を達成するために行うのではなく、企業にとってメリットもあります。
女性管理職がいる経営上のメリットとしては、以下のようなものが報告されています。
■女性取締役のいる企業の方が、いない企業に比べ、株式パフォーマンスが良い。
■特に、リーマンショック等厳しい環境変化に対して強く、回復が早い傾向。
■勤続年数の男女格差が小さい企業、再雇用制度がある企業、女性管理職比率が高い企業の方が、利益率が高い傾向 。経済産業省「女性の活躍と企業業績」より
管理職研修の課題を解決するには
ここまで見てきたような、企業の管理職研修の課題を解決する管理職研修について紹介します。
部下のマネジメントという点では、管理職には一律の対応だけではなく、一人一人の背景や想いを知り、それぞれ自身にあったマネジメントをすることで、活躍させることが求められます。特に部下の状況を理解した適切な管理職のフォローにより女性活躍を促すことができます。
部下のマネジメントを学ぶために有効な体験型研修
これからの管理職には、部下の状況を正しく理解し、マネジメントする力が求められます。
そのためのキーワードは、「腹落ちした」「リアルにイメージできた」という経験です。マネジメントする際には、自分と違う相手のことを想像することが大事です。しかし、想像と言っても知らなかったらできません。社員自らが体感し、考えることで具体的なアクションに繋げること体験することが早い習得につながります。
例えば、弊社で行っている管理職向けの研修では、「状況理解ワーク」というカードを使ったワークショップを行います。実際に子育て中の社員が16時に子どもの病気で呼び出しをされた際に、どのように調整するかという状況を体感します。実際に「当事者」として、仕事と子育ての間で揺れる焦りや、周囲からの言動に対しての感情を体感することができます。
また、それを体感した上で、以下のことを考えることで現場のマネジメントや働き方の改善に活かしていただきます。
●上司としてできること(マネジメント)
●組織としてできること(働き方、仕組み、風土の改善)
またこちらの研修の内容は、大阪ガス様で実施したものがメディアにも掲載いただきました【11/5(月)東京新聞「育休復帰の部下と上司 遠慮ですれ違い 支援研修に『逆の立場疑似体験』」】
1)「ムビケーション」
●企業:株式会社マイナビ(教育研修事業部)
●対象者:全管理職
●研修概要:主観カメラによるドラマ映像を用いた「限りなくリアル」な
映像と講義の組み合わせによる画期的な学習スタイル。
ドラマ映像と主観カメラを用いたリアルなシミュレーションとワークによって、実務の中でしか気づけない管理職としての勘所を体感し、理解することができます。
●特徴:従来の紙を使ったケーススタディよりも、よりリアルな体感により想像をすることができます。また、疲労感の軽減、研修継続意欲の上昇、ディスカッションの活性化といった優位性があることが確認されています。管理職向けの一斉研修に導入しやすい研修になっています。
2)「育ボスブートキャンプ(イクボス研修)」
●企業:スリール株式会社
●対象者:若手マネージャー職やリーダー職
●研修概要:管理職やリーダー職に向けた、長期の体験型研修プログラムです。時間制約のある社員の生活を体験することで、 抜本的に意識が変わり行動を継続させる、実践型の「意識改革プログラム」です。 17時に強制的に帰り、保育園に子どもを迎えに行き、子どもと触れ合う。またプログラムの期間には、自分のメンバーのプライベートをヒアリングしたり、子育てだけではなく介護・不妊治療など多様な社員のヒアリングを行う。多様な社員の背景を知り、体験することで、自分や組織の働き方や、マネジメントに活かしていきます。(子育て体験は、スリールで手配が可能。)
●特徴:マネージャー自身が子育てと仕事の両立を行う体験を行うことで、自分自身のマネジメントを振り返ることができます。さらに、マネージャー自身が自社の組織を変革していくための提案を経営陣に行うことを通して、マネージャー職やリーダー職のためだけではなく組織を変革するプログラムとして、組織全体のダイバーシティ施策として位置付けることができます。
●プログラム内容:8日間(1回2時間半程度)、2ヶ月程度。
- ダイバーシティ講座
- 子育て体験(4回程度)
- 働き方会議ワークショップ
- 先輩イクボスとのセッション(別途)
- 働き方改革アクションプラン実践
- 役員・社長へのプレゼン
3)「骨太の管理職育成2018 無人島サバイバル研修」
●企業:日清食品ホールディングス
●対象者:日清食品グループの新任管理職十数名
●研修概要:瀬戸内海にある “無人島” で2泊3日の研修を実施します。「もし電気がなくなったら?」をテーマに、何もない大自然の中でサバイバル研修を実施することで、新任管理職の「一人で生き抜く力」を養い、身体的・精神的に骨太な管理職に育成する。また同時に「食の大切さ」を再認識させる。
●特徴: 日清食品ホールディングスは、2003年より、無人島研修、山修行、被災地ボランティアなど様々な形で新任管理職研修を行ってきています。この研修は、「食の大切さ」を身をもって感じる食品企業らしい研修であると同時に、チームの助け合いなど体験を通して学んでいく研修でもあるかと思います。
女性管理職の育成で有効な体験型研修
●企業:キリン株式会社
●研修概要:1カ月間、2歳児を持つママになりきり、定時退社や突発的な早退など9つのルールを守りながら仕事をするという試み。女性が実際にライフイベントを迎えても、働き続ける自信を持てる事を示しただけでなく、高い成果を出しながら働き続けるために必要な、周囲のマネジメント向上策や、組織カルチャー変革のきっかけにも繋がり、2018年より全社で実施。
●特徴:この取り組みの特徴は、何といっても社員たちのアイディアによって始まり、周囲を巻き込みながら成果を出していくことができた点です。2017年2月、「新世代エイジョカレッジ・サミット」で「エイジョアワード 大賞」を受賞するなど、全社にも取り組みが広がっています。
●企業:スリール株式会社
●研修概要:女性管理職(リーダー)のキャリアアップを無理なく支援するためのメンター制度構築コンサルティングです。女性社員と管理職の、1年間のメンタリングプログラムの企画・実施を行います。また1:1のメンタリングだけではなく、同期と共にプログラムに参加する仕掛けや、最終発表の仕掛けなどを行うことで、同期と切磋琢磨し、キャリアアップすることへの心理的安全性を保つことができることを大切にしています。
●特徴:自らキャリアアップへの意識を高めることを目的したプログラムです。管理職を強制するものではありません。1dayの女性管理職研修だけでは解決できない、根本的な女性管理職へのキャリアアップを支援するためのしっかりとした仕組み作りを行います。
まとめ
働く人の多様化に伴い、経営と現場をつなぐ役割を担う管理職に求められることが多くなっています。部下の状況を理解し、どのように受け止めていくのか体験しながら学ぶ事の出来る研修をご紹介しました。
ただでさえ、忙しい管理職。研修を行う時間も限られるため、効果の高い研修を行うことが求められます。私たちは、組織にあった体験型のプログラムを提供することで、参加した管理職の方が腹落ちする研修を作り上げています。(アンケートで満足度100%いただき、導入いただいた社長から、そんなこと有りえないと言っていただいたほどです)
・研修を行っているが、現場からの管理職の評判が良くない。 ・自発的に管理職を目指す女性が、非常に少ない。 ・効果の高い、研修を実施したい。 |
スリールの体験型研修は、ヒアリングを元にオーダーメイドでご提案させていただきます。以上のような課題をお持ちの方は、ぜひご連絡ください。
大企業だけではなく、中小企業にとっても重要な女性管理職比率、離職防止、管理職の育成を力強くサポートします。
ぜひ、個人が活きる社内風土を一緒に作っていきましょう。
スリールでは、「子育てをしながらキャリアアップできる人材と組織の育成」とテーマに、女性の心理を徹底的に分析した講義や、擬似体験型ワークを取り入れた実践的な研修を提供しております。
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